経営・戦略

2024.07.11 16:15

世界初! 分子構造似ている「香水xワイン」ペアリング、最上級同士の相性は

プレンタ・エステート輸出マネージャーのルチアーノ・アルカノーニ氏と評香師のMAHO氏。

繊細な香りを楽しむワインの席で、日本では香水はタブーとされることが多いのではないだろうか。レストランやバーの中には「香水お断り」「香水は控えめに」を謳っている店もある。そんな香水とワインー通常相容れぬ2つの文化を融合させ、新しい価値観を提供しているのが、アルゼンチン発のペルフーメラボラトリー「FUEGUIA 1833」だ。

実は「FUEGUIA 1833」麻布台ギャラリーは、世界で唯一、ショップ内にバーが併設されており、「香り」をあてにワインが頂ける店舗となっている。
併設のバーではアルゼンチンワインに合わせて香りを提案してくれる

併設のインフュージョンバーではアルゼンチンワインに合わせて香りを提案してくれる。

きっかけとなったのが、クリエーターのジュリアン・べデル氏自らデザインしたアルゼンチンワイン「Pulenta Estate」。べデル氏によると、ワインと香水は分子構造にも類似点があり、親和性が高いという。プレンタ・エステート輸出マネージャーのルチアーノ・アルカノーニ氏来日に伴い、「ワインと香水の交錯」をテーマにイベントが開催された。その前代未聞の画期的なイベントの様子をご紹介しよう。

参考>> 一流人でも知らない香りのマナー。男性がつけちゃいけない「あそこ」とは

唯一無二の香水フエギア

「FUEGUIA 1833」は、2010年にジュリアン・べデルによって創業されたブエノスアイレス発のペルフーメラボラトリーだ。ジュリアン・べデルはアーティスト、ミュージシャン、弦楽器製作者、そして研究者でもある。珍しい南米の天然植物材料を採取・分析し、化学、芸術、文化の視点から創り上げる唯一無二の香りは、つけているだけで一目置かれる最上級の香水だ。国内3店舗目となる麻布台ギャラリーは「五感で愉しむ」がテーマ。麻布台ヒルズのコンセプトと呼応する「ツリーハウス」をイメージした店内は、日本の杉材を使用した内壁から音響にいたるまで無駄なくこだわりぬかれ、未知の扉を開ける好奇心を掻き立てる空間が広がっている。
「ツリーハウス」をコンセプトに、日本杉を使った落ち着ける空間が広がる。

「ツリーハウス」をコンセプトに、日本杉を使った落ち着ける空間が広がる。

フエギアの特徴は、約120種類以上という作品の多さと圧倒的な美しい世界観だ。香水にはすべてベデルにインスピレーションを与えたパタゴニアの自然、歴史、人物、音楽などにちなんだ詩的な名前とストーリーがあり、「バベルの図書館(詩人ホルヘ・ルイス・ボルヘスの作品名)」「ティンタ・ロハ(タンゴの曲名)」のようにアルゼンチンの詩やタンゴにちなんだ香水もある。試香用のフラスコを被った色とりどりの香水瓶がずらりと並ぶ様は、ギャラリーでもありラボのようでもあり、わくわくが止まらない。その場にいるだけで、錆びつきかかった感覚が呼び覚まされる気がしてくるのだ。
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