これは、米国の保険業界が出資して設立した非営利団体「米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety, IIHS)」から6月12日に発表されたもので、ドライバーのISAに関する意識調査の主な結果だ。
「これらの調査結果は、米国のドライバーがこの国の道路をより安全にするために運転の仕方を変えようとしていることを示唆する、非常に興味深いものだ」と、IIHSのデビッド・ハーキー会長は声明で述べている。「従来の常識では、速度を制限する技術は、この国の自動車中心の文化の中では、けっして受け入れられないだろうと考えられてきた」
IIHSによると、米国における交通事故の4分の1以上は、常にスピードの出し過ぎが原因で起きているという。2022年には1万2000人以上が速度超過に関連した事故で死亡した。
「現在の技術を使えば、実質的にすべての速度超過を抑止し、おまけに速度違反切符も撤廃することが可能だ」と、今回の調査を考案・指揮したIIHSの上級調査研究者であるイアン・レーガンは声明の中で述べている。「だが、ドライバーが望めば時速90マイル(約145km/h。もちろん速度違反)に速度を固定することさえ可能なアダプティブクルーズコントロールや部分的自動運転システムなど、我々はまったく別の方向に進んでいるようだ」。
ISAシステムは、GPSと制限速度データベースを利用し、場合によっては道路標識を読み取ることができるカメラも併用して、実際に走行している道路の最高速度を特定し、車両の速度をそれに合わせて制限する。
研究員たちによれば、より強固なシステムでは、ドライバーが制限速度を超過したり、あるいは設定された範囲を超えて速度超過すると、警告音を鳴らしたり、警告ランプを点滅させる。または、アクセルペダルを重くして踏み込みにくくしたり、エンジンの出力を絞ってドライバーがスピードを出し過ぎるのを防ぐシステムもあるという。