キャリア・教育

2024.06.19 13:30

才能を生かして起業する「タレントプレナー」が世界を変える!

──自分の才能を生かすことの価値は、どう変わっていくか。

佐野:幸福度の高い社会をつくるためには、まず「自分の手がける事業を通して才能を発揮し、やりたいことを実現させる起業家」を増やすこと。そして、そこに才能あふれる仲間たちがいることが大切です。働くうえで精神的に良好な状態をもたらすという点で、ウェルビーイングの考え方にも通じそうです。

──具体的に、タレントプレナーとしてどういった人の名前を挙げられるか。

佐野:(前職の社長だった)COTEN CEOの深井龍之介さんです。深井さんは歴史をはじめとした人文知の必要性を伝えるべく、歴史を面白く学べるポッドキャスト番組「コテンラジオ」が配信されています。彼の熱量は世界を変えていると思いますし、深井さんのような起業家たちが増えてほしいと心の底から思っていますね。

──タレントプレナーという概念は今後、どう広がりを見せていくか。

佐野:僕らの会社は「あふれる才能の輝きで、世界を幸せで満たす」という理念を掲げ、誰にでも才能はあるので、自分が好きなこと、得意なことで、少しでも社会のためになりそうだったら、追求してみるのがいい。自分が信念をもっていることを優先したほうが、結果的に社会は良くなります。自分がいちばんエネルギーを発揮できる場所で挑戦する、タレントプレナーが増えていけばいいなと。
 
僕自身も、タレントプレナーです。数年前までは才能を生かせている感覚がありませんでした。そんななかでようやく見つけた道が「自分の好きなこと・才能を生かして生きていく」ということ。ポッドキャスト番組「TALENT TALK」を通じて才能について発信し続けたら、仲間が集まってきて、いまの事業のかたちにたどり着きました。そのときに、自分の好きなことを本気でやって、才能を生かして、共感してくれた人たちと一緒に、経済圏を回していけばいいのではないかと思ったんです。タレントプレナーのいちばんのメリットは、同じ熱量の仲間を集められることだと思いますね。これからの時代、タレントプレナーが世界を変えると信じています。


佐野 貴◎TALENT代表取締役。2015年CROOZ入社。22年COTENに参画し、組織全体の才能の最大化に責任をもつ役割(CGO)兼取締役を歴任した後、退任。現在は、TALENT社にて心理学を基盤とした才能研究のデータをもとに、組織・人材開発、スクール事業などを展開。

文=加藤智朗 イラストレーション 構成=Kouzou Sakai

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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