サイエンス

2024.06.12 14:00

「親指型ロボット」で手の機能を拡張、英ケンブリッジ大が開発

クロードは、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号の取得を目指していた時に、この親指型ロボットの最初のプロトタイプを作った。その後、メーキン教授の可塑性研究室で他の神経科学者らと共に共同研究を開始した。クロードは上肢用人工装具をデザインしており、人間の親指の機構をもっと深く理解したいと考えていた。

「親指は驚くほど独特な部位であるため、義手をデザインする上で大きな挑戦であり、時には研究から取り残される場合もあります」とクロードは言う。
論文によると、Third Thumbの開発チームは、2022年に行われた英王立協会の夏期科学展示会で装置を紹介し、来訪者に対してテストを行った。協力者にはThird Thumbに慣れるために1分間を与え、ペグを動かしたり、ものを泡で覆うなどのタスクを行うよう指示した。

「Third Thumbはほとんどの場合、誰でも使うことができ、非常に早く使い方を理解できるものであると示すことができました」とクロードは言った。「この実験結果は商品化のために大きな役割を果たしますが、まだゴールには届いていません」

それでもクロードは、便利かつ使って楽しいThird Thumbの可能性について楽観的だ。

5~7日間という長期間にわたる掘り下げた試験を行ったところ、人々がこの指に愛着をおぼえるようになったことにクロードは驚かされた。「協力者の中には、実験期間の終わりにThird Thumbと別れるまでに少し時間が必要だった人もいたのです」

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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