経営・戦略

2024.06.03 15:00

eコマース市場は2028年までに1000兆円超え、求められる経営戦略

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店舗の閉鎖、そしてオンラインマーケットプレイスやソーシャルコマース、ネットスーパー、ネット注文したものを店舗などで受け取るクリック&コレクトサービスの台頭にもかかわらず、実店舗の小売が廃れることはない。さまざまな形でテコ入れを余儀なくされているが、依然として世界中で最も普及しているチャネルだ。このことは、小売企業が確固たるオムニチャネル戦略を持つことの重要性を浮き彫りにしているが、多くの小売企業にとってオムニチャネルはまだ当たり前のことではなく、買い物客とつながりを保つのに苦労しているのはおそらくそのためだ。
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実際、いま上手くいっている小売企業はオンラインと実店舗の両方で展開することの重要性を理解している。その場で価値と魅力をもたらすシームレスで楽しい接点を消費者に提供している。

コスメ小売のSephora(セフォラ)は買い物客とともに進化し、若年層や、パーソナライズされた快適な買い物体験を求める顧客に対応してきた小売企業の好例だ。店舗全体のシステム(クリック&コレクトサービス、店舗で利用できるポイントなど)に完璧に連動する、使い勝手のいいオンラインストアとポイントプログラムのアプリを展開している。加えて、美容トレンドが実店舗の店頭に反映されるようにしており、人気のある高級ブランドを扱っている。その上、店内でブランドの美容セッションやレッスンを開いたり、毎年恒例の美容関連イベントを開催したりしている。こうした種類の参加型の催しは買い物客にSephoraの店舗に来たいと思わせ、来店を楽しんでもらうことができる。

ニュースではeコマースの着実な成長に焦点が当てられるかもしれない。だが、覚えておきたいのは、オンライン販売のみを強化するのではなく、オンラインと実店舗でのブランド体験を創造して全体的なアプローチを取ることが小売では重要ということだ。オンラインと実店舗は互いに補完し合い、両方展開することで最もシームレスな顧客体験を提供しながら小売業者のシステム全体を強固なものにする。
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店舗や事業を閉鎖する小売企業の多くに共通しているのは、オンラインサービスを店舗運営の一部として組み込むことに失敗している点だ。また、ユニークな買い物体験を求める若年層の消費者に対応できていないことも挙げられる。限定販売やブランド認知度アップのための取り組みを展開したり、購入過程をシームレスなものにしたりすることで、パーソナライズされ、魅力的、そして他の商品にも目がいくような買い物体験にすることができる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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