研究チームはコンピューターモデルを用いて、気候の改造に関連するガスの濃度を変化させ、地球型惑星の現実的な惑星スペクトルのシミュレーションを行った。中赤外域の赤外線の吸収能力が高い化合物は、強力な温室効果ガスになる。
シュウィーターマンによると、ヘキサフルオロエタン(分子式:C2F6)は100年にわたり、二酸化炭素(CO2)の1万倍もの温室効果能力を持つ。六フッ化硫黄(SF6)の温室効果能力は、100年にわたってCO2の2万3500倍にも及ぶ。これらのガスは化学的に不活性なため、オゾン層破壊のような有害な影響を及ぼさないという。
また、環境中に長期間残留し、寿命(大気中の残留時間)が1000年以上に及ぶ。最初に調査すべき場所は、地球からの距離が約40光年と比較的近くにある恒星系「トラピスト1(Trappist-1)」の惑星かもしれない。
シュウィーターマンによると、研究チームはトラピスト1星系の惑星「トラピスト1f」がテラフォーミングを施された大気を持つと仮定したシミュレーションを行い、大気中に含まれる種々の温室効果ガスを検出可能かどうかを調べた。トラピスト1fが選ばれた理由は、主星トラピスト1のハビタブルゾーン(生命生存可能領域)の外側に位置しているため、地球が太陽から受ける放射エネルギーの35%しか受けていないからだ。特定の気体や気体の組み合わせによっては、1~100ppm(1ppmは体積比で100万分の1)の濃度の合成温室効果ガスを、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)で検出できるかもしれないと、シュウィーターマンは説明している。