TikTokやインスタグラムなどのプラットフォームで、著名人やインフルエンサーをブロックすることで、彼らのフォロワー数や広告のリーチ数に紐づく収益を低下させることを、人々は望んでいる。
このムーブメントは、「ブロックTok」や「デジタルギロチン」などと呼ばれている。この動きは、一部から自己満足的な行為だと批判されているが、支持者たちは、ターゲットとなった著名人のフォロワー数の減少を指摘し、発言に追い込まれた者もいると主張している。
セレブや富裕層に対する敵意
富の不平等が拡大する中で、ネット上ではセレブや富裕層に対する敵意が高まっている。SNSユーザーは、著名人が贅沢な暮らしぶりを自慢する画像と戦争や飢餓の悲惨なビデオを、同じタイムライン上でスクロールしている。このムーブメントがデジタルギロチンと呼ばれるようになったきっかけは、5月6日にニューヨークで開かれたファッションの祭典『メットガラ』に参加した有名モデルのヘイリー・カリルが投稿した動画だったとされている。
華やかなドレスを着て登場したカリルは、「ケーキを食べればいいじゃない」と話すそぶりを見せたという。これはフランス革命でギロチンにより処刑されたマリー・アントワネット王妃が、パンを求める飢えた民衆に対して言ったとされる言葉だ。
メットガラの会場の外では、ガザでの戦争の終息を求めるデモが行われていたため、カリルのこの投稿は、人々の大きな怒りを買った。
「今こそ、このような状況に声を上げないセレブ、インフルエンサー、富裕層をすべてブロックすべきだ。彼らに与えた我々の関心やいいね、コメントとお金を取り戻す時だ」と、@ladyfromtheoutsideというハンドルネームのTikTokユーザーは投稿し、デジタル版の階級闘争を宣言した。