スケールAIは米国時間5月21日、138億ドル(約2兆2000億円)の評価額で10億ドル(約1570億円)を調達したと発表した。フォーブスは、この取引により同社の14%を所有するワンの保有資産が20億ドル(約3140億円)に達したと推定している。彼の資産は、2022年5月にスケールAIが73億ドル(約1兆1000億円)の評価額で調達を行った際の約2倍に上昇した。
当時から2歳年を取ったとはいえ、ワンは依然として世界で最も若いセルフメイド(自力で富を築いた)ビリオネアだ。ワンは、彼の次に若いセルフメイドのビリオネアである、DoorDash(ドアダッシュ)共同創業者のスタンリー・タン(31歳)よりも4歳若い。
ワンは、マサチューセッツ工科大学(MIT)を1年生の夏に中退した後、2016年にスケールAIを共同創業した。彼と共に同社を設立したルーシー・グオ(29歳)は、2018年に同社を離れ、ベンチャーキャピタルのバックエンド・キャピタルを共同創業し、クリエイターのためのWeb3プラットフォームのPasses(パッシーズ)を立ち上げた。
スケールAIは現在、自動運転車のAIやChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)の学習に必要なデータのラベル付けサービスを提供している。
同社が初めてユニコーンになったのは、2019年のシリーズCラウンドで評価額が10億ドル(約1570億円)とされた時だった。スケールAIの評価額は、その1年後のシリーズDで35億ドル(約5498億円)とされ評価額を落としたが、2022年のシリーズEでは73億ドル(約1兆1000億円)に上昇した。
21日に発表された今回のシリーズFラウンドは、既存出資元のアクセルの主導によるもので、スライブ・キャピタルやエヌビディア、インテルとAMDの投資部門なども参加した。
アクセルのパートナー、ダン・レヴィーンはプレスリリースの中で、「スケールAIは設立当初から、AIのためのデータの可能性を解き放つことに焦点を絞ってきた。今日の業界の主要な進歩はすべて、彼らのデータエンジンが中心にあったからこそ可能になった」と述べた。
ワンも同様に強気で、21日のX(旧ツイッター)の投稿で、「スケールAIは、データの最前線を加速させ、汎用人工知能への道を開くための絶好の場所に居る」と語った。
(forbes.com 原文)