AI

2024.05.23 12:00

メタのAI部門トップ、大規模言語モデルが「人間レベルの知恵」を持つことはないと発言

彼は、メタのAI研究組織であるFundamental AI Research(FAIR)の約500人のチームとともに、「ワールド・モデリング」と呼ばれるアプローチに基づく次世代のAIシステムの開発に取り組んでいると語った。これは、システムが周囲の世界を人間のように理解し、何かが変わった場合に、何が起こるかを予測する感覚を養うものだという。

ルカンは、ワールド・モデリングのアプローチを使って人間レベルのAIを実現するには最大で10年かかる可能性があると予測した。

投資家は「巨額の投資」を懸念

フェイスブックやインスタグラムを運営する、世界で最も知名度の高いハイテク企業であるメタは、生成AIの進化の最前線に立っている。Llama 3のようなメタのLLMは世界で最も有能なもののひとつと考えられており、同社が提供するAIアシスタントのMeta AIは最近、公式ウェブサイトを通じてスタンドアロンツールとして提供されることが発表され、OpenAIのChatGPTやグーグルのジェミニのような市場のリーダーと直接競合することになった。

しかし、AIモデルは訓練にコストがかかるため、投資家はこの競争に全面的に乗り出すというメタの決断を歓迎していない。同社のマーク・ザッカーバーグCEOは、米国時間4月24日の決算発表で、AIに資金を投入している間は成長が鈍化することを覚悟するように述べたが、その直後にメタの株価は急落し、2000億ドル近い時価総額を喪失。この下落はハイテク株全体に波及することとなった。

ザッカーバーグは、投資家に対し、AIへの投資がいつ、どこで、どのように実を結ぶのか、まったく見通しが立たないにもかかわらず、多額の費用を投じてAI機能を強化すると語った。彼は、メタが過去にリールやストーリーズ、ニュースフィードなどの製品で同様の収益化戦略を成功させており、「AIでも他社をリードすることで利益を得られると考えている」と強調した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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