ランキングの2位には、厳密には取引所ではなく、最大の規制された暗号資産マーケットプレイスであるCMEグループが選ばれた。シカゴ商品市場をルーツとするCMEは、公式なビットコインおよびイーサリアムの価格決定者に最も近い存在で、規制されている暗号先物契約の残高は90億ドル以上と、世界で最も多い。プロシェアーズのようなETF発行会社やヘッジファンドは、ビットコインやイーサリアムの将来価格のヘッジや投機にCMEを利用している。
3位のロビンフッドは、手数料が無料の暗号資産取引を提供している点が特徴的だ。しかし、同社は機関投資家の取引やデリバティブ商品(先物やオプションなど)の取引が少ないため、スコアがやや低くなっている。ロビンフッドはまた、コインベースと同様にSECの監視対象となっている。
米国以外で進む「規制の明確化」
米国における強力な規制は、既存の金融法と法的裁判制度に支えられているが、米国政府は暗号資産に特化した明確な法的枠組みを構築できていない。しかし、ドイツや日本のような国々では事情が異なっている。FTXの崩壊以来、少なくとも10カ国が、無許可の取引所を特定し、基本的な情報開示要件や消費者保護を確立することを目的とした暗号資産法を成立させている。欧州連合(EU)は、主要経済圏による初の暗号法制である暗号資産市場(MiCA)規則を今年施行しようとしている。
ドバイは2023年に仮想資産規制局(VARA)を発足させ、取引所に対して大規模な市場エクスポージャーに関する情報の共有を義務付けるためのスポット・ライセンスとデリバティブ・ライセンスを管理している。
フォーブスが前回、暗号資産の取引所をランク付けしたのは2022年3月のことで、その当時データプラットフォームのCoinGeckoには約6500のトークンが掲載されていたが、現在は1万3000を超えている。本ランキングは以前、それらのプラットフォームによって特定された646の取引所を60社に絞り込んでいたが、本年度は20社に絞り込んだ。
今年のランキングには、米国の企業が7社、欧州と日本が各4社、韓国が2社、シンガポール、ドバイ、香港が各1社含まれている。
(forbes.com 原文)