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2024.05.20 12:30

TikTok買収目指す70歳の大富豪、「ドジャースの元オーナー」が描く未来

Frank McCourt(Photo by Craig Barritt/Getty Images for Unfinished Live)

彼は、その後もスポーツ関連の投資を続け、2016年にはフランスのサッカーリーグのオリンピック・マルセイユを約5000万ドル(約77億円)で買収した。マッコートはまた、個人信用に特化した投資会社MGGインベストメント・グループを設立し、2016年に3億ドル(約467億円)だった運用額を2023年には56億ドル(約8729億円)にまで増加させた。
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彼のプロジェクト・リバティの立ち上げのルーツは、2013年に母校のジョージタウン大学に1億ドル(約155億円)の寄付を行い、同大学に所属する公共政策大学院のマッコート・スクール・オブ・パブリック・ポリシー (MSPP)の設立を支援したこにさかのぼる。

マッコートは、同校の設立にあたって、研究者がアクセスしたいデータの多くが利用できないことに気づき、データの所有権に目を向けるようになった。「学内には巨大なデータ研究所がありますが、彼らが本当に必要としているデータは、ハイテク大手によって管理されているため、利用できないことがすぐに分かりました」と、彼は述べていた。

分散型のソーシャルネットワーク

2021年、マッコートはプロジェクト・リバティを立ち上げることを決意した。このプロジェクトは、人々が自分のデータやデジタル・アイデンティティのコントロール権限を強化することを支援しようとしている。彼は、このプロジェクトの活動を3月に出版した著書の『Our Biggest Fight: Reclaiming Liberty, Humanity and Dignity in the Digital Age(我々の最大の闘い:デジタル時代に自由と人間性、尊厳を取り戻すための闘争)』で詳しく紹介している。

プロジェクト・リバティの技術チームは、次世代のウェブのインフラの構築を目指しており、DNSPと呼ばれる分散型のソーシャル・ネットワーキング・プロトコルを提唱している。このプロトコルを用いれば、ユーザーは、データー所有権を保ったままプラットフォーム間で移動することが可能で、これまでは特定の企業が独占していた経済的ベネフィットを全ての人が受け取ることが可能になるという。
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マコートは、2022年にweb3ベースのソーシャルネットワークMeWe(ミーウィー)の2700万ドル(約42億円)の資金調達を主導していた。

分散型プロトコルの経済モデルがどの程度実現可能なのかは不明だが、TikTokユーザーのデータの一部をDSNPに移行するというマッコートの計画は、彼のイニシアチブに巨大な変化をもたらす可能性がある。

マッコート自身がこのイニシアチブに既にいくらを投じたのか、誓約済みの5億ドル(約779億円)の一部がTikTokの買収に使われるのかどうかも不明だ。しかし、ひとつだけ確かなのは、彼がこの組織の主要な資金提供者であり、最新の税務申告によれば、これまでに約5000万ドル(約77億円)を寄付していることだ。

「私は7人の子供に恵まれている。彼らの未来のために私は戦っている」と彼は3月の著書の発売に際して述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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