フォーブスは現在52歳の馬の保有資産を410億ドル(約6兆3000億円)と試算している。新たなゲームのリリースや、メッセージングアプリのWeChatで広告売上が増加したことを受けて、彼の資産はさらに増加する可能性がある。香港市場に上場する同社の株価は、2021年のピークをまだ50%近く下回っているものの、年初からは30%近く上昇している。
テンセントの主力事業であるゲーム事業は、再びゲーマーからの注目を集め始めており、広告事業も予想を上回る売上高を示している。
調査会社86Research(86リサーチ)の上海在住アナリスト、チャーリー・チャイは、「テンセントは、中国のデジタル経済を象徴する企業であり、同社の株式は、世界の投資家が中国への投資を再開する際に、好んで選ぶ銘柄であり続けている」と語った。
テンセントの第1四半期の売上高は、前年同期比6%増の1595億元(約3兆4500億円)で、純利益は62%増の418億9000万元(約9150億円)と、市場予想の345億元(約7536億円)を大きく超えた。約14億人のユーザーを抱えるWeChatのライブストリーミングやビデオの視聴時間は、前年から80%も上昇しており、広告収入も伸びている。
投資銀行ジェフリーズのトーマス・チョンは、「テンセントは、動画アカウントの強さと広告技術のアップグレードにより、広告市場でシェアを拡大し続けると予想する」と述べている。
テンセントの主力事業であるゲーム事業の第1四半期の売上高は、786億元(約1兆6000億円)で前年同期比1%減だったが、回復の兆しを見せており、同社の幹部は『Honour of Kings(王者栄耀)』や『Peacekeeper Elite(和平精英)』といった主要タイトルでユーザーが支出を増やしていることを強調した。
また、同社は5月21日に待望のモバイルゲーム『アラド戦記モバイル』をリリースするほか、2016年に86億ドル(約1兆3000億円)で傘下に収めたフィンランドのスーパーセルも、間もなく5年ぶりの新作をリリースする。
テンセントのジェームズ・ミッチェル最高戦略責任者(CIO)は14日の電話会談で、中国の景気回復が完全には安定していない中、今後の数四半期で広告の伸びが鈍化する可能性について言及したが、それと同時に楽観的な見方も提示した。「当社は、動画での広告表示回数を増やし始めたばかりであり、ショートビデオを手がける主要な競合他社と比べた表示回数は、現状で約4分の1であることを考えると、市場シェアを迅速に獲得し続ける良い立場にあると考えている」と彼は語った。
(forbes.com 原文)