MeWeは、Parlerのような右寄りのソーシャルメディアと並んで、2020年の大統領選挙後に、フェイスブックから追放された保守派のためのスペースとして人気を博し、現在のユーザー数は2000万人に達している。
しかし、4月に同社のCEOに就任したジェフリー・エデル(Jeffrey Edell)は、コンテンツのモデレーションを厳格化することで、より幅広い層へのリーチを狙っている。MeWeのポリシーには、個人データの所有者がユーザー自身であることや、ユーザーのニュースフィードの操作を行わないこと、顔認識技術を使わないことなどが明記されている。さらに、Metaのような広告収入に依存するビジネスモデルではなく、サブスクリプションを軸に据えている。
エデルによると、以前は右派コンテンツのハブとして知られたMeWeは、人工知能(AI)を用いて、ヘイトスピーチや暴力を煽る投稿を削除し、節度のある言論の自由を目指しているという。しかし、フォーブスが「stop the steal」や「gun sale」といった言葉を検索すると、現状では関連するグループや投稿がいくつもヒットした。
2008年から2年間、MySpaceの親会社のインターミックスの会長を務めたエデルは当初、MeWeにネガティブな印象を持っていたという。「妻には、こんな問題があるプラットフォームに関わるつもりなの? と聞かれたが、よく調べてみると過激なコンテンツはごくわずかしかないことに気づいた」と彼は話す。
古き良きSNSを取り戻す
しかし、同社はもっと大きな問題を抱えている。ほとんどの人は、MeWeが何であるかを知らないのだ。そのため、エデルは今回の資金調達を、より良いマーケティングに投資する計画という(ただし、フェイスブックやインスタグラムへの出稿は予定していない)。
MeWeは、サブスクリプションモデルで運営されており、月額4.99ドルまたは年額29.99ドルのパッケージには、無制限の音声およびビデオ通話や100GBのストレージなどが含まれている。
ショービズ業界のベテランでもあるエデルは、「キッズ・オールライト」(2010年)、「The Grey」(2011年)などの映画のプロデューサーも務めてきた。エンタメとテクノロジーの両方のバックグラウンドを持つ彼は、MeWeのNFTを作る計画も進めている。
MySpace時代にソーシャルメディアの勃興期に立ち会ったエデルは、「私はそれ以降にこの分野に起こったことが好きではない。ソーシャルをかつての時代に戻したい」と語った。
(forbes.com 原文)