2024.06.07 09:15

観光客1億人を7年前倒しで実現 現地で見たサウジアラビアの本気


食の観点から言うと、広大な国土により、13の地域に分かれ、それぞれに多様な郷土食が根付いていることも魅力だ。ディルイーヤ内にあるサウジアラビア料理「メイズ」では、巡礼地で知られるメッカの名物料理で、ミルクの入ったお米の粥にグリルした鶏肉を乗せた「サレグ」や、日本の餃子に似た「サンボーサ」など、多様な地方料理が提供されており、日本人の口にも合いやすい。
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アルコールの販売が一般には行われていないため、旅を通してアルコールの提供はなかった。代わりに楽しまれているのが、アラビア風のコーヒーだ。

ローストをしない豆で抽出し、サフランとカルダモンなどで香りをつけたもので、黄色い見た目のものを、お猪口のような一口サイズのカップでいただく。コーヒーのロースト香がなく、すぐ継ぎ足してくれるため、うっかり飲みすぎてしまうが、カフェインはしっかりと含まれている。パーティなどの際には、シャンパンとおつまみ代わりにこのコーヒーとデーツが振る舞われる。

サウジアラビアブランドとしてアプローチ


祝賀イベントは、国賓を迎えてのイベントが数多く行われる、市内のトゥワイク宮殿で開催。サウジアラビア王国観光大臣(Ahmed Al Khateeb閣下)、観光副大臣(Haifa Bint Mohammed Al Saud王女)の参加の元、伝統音楽に合わせて350人の歌手とダンサーが歌い踊る中、伝統料理のディナーが供された。

このように、サウジアラビア国内には数多くの宮殿があり、それを改築しラグジュアリーホテルにするというプロジェクトが動き出している。そのために設立された会社ブティック・グループには、22年にCEOとして、リッツ・カールトングループなどで長年キャリアを重ねたマーク・デ・コシニス氏が着任した。
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同氏によると、現在3軒の宮殿ホテルが建設中で、これからさらに3軒が発表予定。外資ではなく「サウジアラビアブランド」のホテルグループとして、まずは湾岸地域のロイヤルファミリーや起業家、アスリートなど、世界のトップ2%のビジネストラベラーをターゲットにしたいと述べ、今後観光はGDPの10%を超える産業になるだろうと予測した。

石油大国から、ビジネスと観光大国に向けて、サウジアラビアのダイナミックな挑戦が始まっている。
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文・写真=仲山 今日子

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