だが中国政府は、自国で余剰となっている製品を世界市場にダンピングすることが他の経済にとって脅威となっているという考え方に異議を唱え、西側諸国を保護主義だと非難している。ジャネット・イエレン米財務長官は先月、訪中して懸念を伝えたが、中国の国営メディアは西側諸国は何世紀にもわたって同じ戦略を取ってきたと反論した。欧米の首脳らは自国のマーケットが安価な輸出品に押されることに加え、中国が重要なサプライチェーンを掌握することへの国家安全保障上の懸念や、脱炭素につながる投資や経済の脱炭素化と気候変動への取り組みが中国によって妨げられるのではないかとの憂慮を示している。
中国の貿易慣行を懸念しているのは米国だけではない。世界最大の経済圏である欧州連合(EU)は米国同様、特にグリーン産業における懸念を表明している。現在、EV輸入に関する中国の貿易慣行を調査中で、中国政府による国内EVメーカーへの巨額の補助金と輸出の急増を問題視している。
欧州委員会(EC)のウルズラ・フォンデアライエン委員長は今月初めにフランス・パリで中国の習近平国家主席と会談した後、中国が公正な貿易を行わないのであれば、EUはあらゆる措置を講じてEU経済を守ると警告し、世界は中国の過剰生産を吸収できないと強調した。「貿易が公正なものであるには、互いの市場へのアクセスも互恵的である必要がある」とも指摘した。
中国が米国の新たな関税措置に報復し、貿易戦争を一層激化させるかどうかはまだわからない。
(forbes.com 原文)