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2024.05.18 16:00

AIに就業規則を書いてもらうリスク、米国各地でトラブル事例も

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「従業員の弁護士は、受け取った書類は役に立たないと言って放り捨てたという。結局、この会社は自ら不利な状況を生み出し、より高額な和解金を支払うことになった」とグレイスは言う。

AIに頼りすぎるのは危険

就業規則や職場規定は、数百ページにも及ぶことが多い。これらの文書は企業文化や、個別の企業の従業員に適用される法律を反映させる必要がある。AIは、これらの書類のドラフトを数秒で作成するのに役立つが、学習に用いられるデータセットは、絶えず進化する労働法に対応できていないケースが多い。さらに、プライバシーに関する懸念もある。ChatGPTの無料版に企業の機密データが入力されると、AIモデルのトレーニングに使われたり、一般に流出するリスクがある。
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フロリダに本拠を置く人事コンサルタント会社、HRSoul(HRソウル)のCEOであるポール・コルティソーズは、就業規則などの作成をAIに頼りすぎると厄介な波及効果をもたらす危険性があると指摘する。彼は、従業員から内部告発を受けたあるSaaS企業の依頼を受け、就業規則を確認したという。その書類は、ChatGPTを使って作成されており、忌引き休暇について5日間の有給休暇を提供すると記されていた。しかし、この従業員が在住する州では、最大10日間の有給休暇を取得する権利があるという。

「この会社は、これを機に専門家を雇うことにした」とコルティソーズは言う。それ以来、彼の会社は、AIが作成した就業規則の作り直しを数多く依頼されているという。

AIは、職務記述書の作成や人材の発掘、求職者のスクリーニングや面接の実施、ボーナスの配分など、様々な人事業務に応用されているが、企業の規則を作成するにはまだ十分な機能を備えていない。就業規則などの作成にAIを使用する企業は、深刻な法的・経済的リスクに晒される可能性がある。
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「人々は、就業規則などの作成を迅速化するためにAIツールを用いているが、そうするべきではない。AIに書類を作らせた後、誰もそれを校正せずに公表することで、最初に時間をかけて作るよりも多くの問題を引き起こしている」とグレイスは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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