ブルームバーグのマーク・ガーマンによれば、iPhoneにGeminiチャットボットを搭載するためのグーグルとアップルの話し合いはまだ続いているが、合意には至っていないという。しかし、ガーマンは「アップルはOpenAIの技術をiPhoneで利用するための合意に近づいていて、これは自社のデバイスに人工知能機能を導入するための広範な取り組みの一部なのです」と述べている。
サムスンのギャラクシーS24シリーズが1月にGalaxy AIを導入して大好評を博したため、アップルにはスマートフォンへのAI導入競争で遅れをとっているという認識がある。
ガーマン氏は、「アップルは6月にAIの世界で大きな話題を提供する予定です」と述べている。OpenAIとの契約はまだ成立していないが、交渉は活発化していると思われる。
生成AIは複雑で高価なものであり、アップルも独自のAI機能を発表する予定だが、高い地位を奪還するためには、外部組織と協力してより迅速に大きな力を発揮したいと考えていると思われる。
AIは、アップルが予想よりもはるかに早くM4チップを発表した理由の1つだ。M4はAIとの連携に適した、より強力なニューラルエンジンを搭載している。M4チップは5月15日から新型iPad Proに搭載されている。
OpenAIとの協業には、アップルがプライバシーに厳しいことや、ChatGPTが使用するような大規模言語モデル(LLM)は非常に多くの処理能力を必要とするためにすべての処理をデバイス上で行うことが難しいことなど、独自の課題が立ちふさがる。
しかし、アップルは「今後発表するAI機能の一部は、自社独自のプロセッサを利用したデータセンターを介して実行する」という。
こうしたことが、アップルのティム・クックCEOが最近の決算説明会で、同社がAIで優位に立つと主張したことにつながったのかもしれない。それは、アップルが追いつくために必要なことだ。
クックは、「私たちはAIの変革力と可能性を信じていますし、この新しい時代に私たちを差別化する優位性を持っていると信じています」と述べている。
それがどのように具体化するかは、今後数週間で明らかになるだろう。
(forbes.com 原文)