ミミックのロボットは、まだ商用段階には至っていないものの、同社はその可能性を既に実証してみせたとナヴァは述べている。
世界の人型ロボット市場は6兆円規模に
このようなロボットの用途は幅広く、特に労働力不足に悩む企業が自動化を図るのに適している。ミミックが有望視する産業の1つが外食産業で、コーヒーを作ったり、ハンバーガーをひっくり返したりするのにロボットを活用できる。他の分野では、人間の代わりに仕分けやピッキングを行うことも考えられる。また、製薬業界であれば研究所で技術者の代わりにサンプルを移動させることも可能だ。ミミックが競合に先駆けてこうした市場を獲得できるかは不明だが、創業者メンバーは楽観的だ。「我々はフルスケールの人型ロボットを作る訳ではないため、手と操作性に専念することができる。さらに、競合他社の多くは米国に本拠を置いているが、我々は欧州を拠点としている点も差別化につながると考えている」とナヴァは述べた。
投資家らも彼らの楽観論を支持しているようだ。今回のラウンドは、スイスのアーリーステージVCであるFounderful(ファンダフル)が主導し、ドイツのanother.vcや英国に本拠を置くTiny.vcのほか、数名のエンジェル投資家が参加した。この資金は、チームの補強やテスト能力の拡充、コンピューティング費用に充当する予定という。
ファンダフルの創業パートナーであるアレックス・シュトックルは、「我々は、AIロボット市場が指数関数的に成長し、近い将来広く普及すると確信している」と述べている。ゴールドマン・サックスの最新調査によると、人型ロボットの世界市場は、2035年までに380億ドル(約5.9兆円)規模に達する可能性があるという。これは、わずか12カ月前に公表された推計の6倍の規模だ。「我々を最も驚かせたのはAIの進歩だ」とその調査で研究者たちは述べていた。
(forbes.com 原文)