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2024.05.14 16:30

「次のユニコーン」として注目、AI家計管理サービスの英Cleo

木村拓哉
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人工知能(AI)を活用した事業を展開する英国の企業がにわかに注目を集めている。自動運転技術を開発するスタートアップWayve(ウェイブ)はこのほど、AI関連企業としては欧州史上最大となる10億ドル(約1560億円)を調達したと発表した。そして世間の関心は、次はどの企業か、というものだ。多くの人が注目しているのが、2017年にバーニー・ハッセーヨーが創業した資産管理サポートのCleo(クレオ)だ。

皮肉なことに、創業地の英国の人々はクレオに馴染みがないかもしれない。同社は当初、英国での成功を目指していたが、ハッセーヨーはすぐに米国の方が少なくとも短期的には有望な市場だと気づいた。同社は2020年に英国でのサービスを終了し、それ以来米国に専念している。だが今年か来年の早い時期に英国で再びサービスを提供することにしている。

クレオは確かにウェイブと共通点がある。両社に投資しているバルダートン・キャピタルはクレオの初期の支援者で、多額の資金をウェイブに投入している。また、クレオもロンドンに本社を置き、急成長する市場で実証済みのテクノロジーを展開している。

それどころかクレオは商業化への道をさらに突き進んでおり、米国ではすでに約60万人の有料顧客を抱え、無料版アプリの利用者はその10倍以上に達している。このため、英紙フィナンシャル・タイムズが支援するニュースサイトSifted(シフテッド)などのアナリストらはクレオを「米国で成功した唯一の欧州のフィンテック」と評している。フォーブスもクレオを注目すべき企業として取り上げており、同社は昨年、「次のユニコーン(Next Billion-Dollar Startups)」リストにランクインした。

ハッセーヨーは今、こうした初期の成功を生かす決意でいる。「金融業務のためのAIサービスになりたい。当社の野望は10億人以上の顧客を獲得することだ」と話す。

クレオは基本的にデジタルのアシスタントだ。家計管理についてのヒントやフィードバックをユーザーに提供する。ChatGPTなどのツールを使って、クレオのアシスタントは自然言語でユーザーに話しかける。例えば、「ロースト」機能ではユーザーが浪費していることをからかい、「ハイプ」機能はユーザーが目標などに向かって前進したときに褒める。このアプリは予算管理や貯蓄、幅広い金融教育に利用できる。直近ではキャッシングなどのクレジット商品も導入された。

「近い将来、このようなデジタルアシスタントが暮らしのあらゆる部分に入り込むようになるとみている」とハッセーヨーは話す。「クレオは財務のことを任せてもらえるアシスタントになろうとしている」
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翻訳=溝口慈子

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