北米

2024.05.02 11:30

「米TikTok禁止法の悪夢」は始まったばかり、実行不可能との見方も

TikTokの米州担当トップ・ポリシー・リーダーのマイケル・ベッカーマンは、フォーブスが入手した社内メモの中で、「これは長いプロセスの始まりであり、終わりではありません」と述べている。彼は、この法案が「違憲」で「前例がないもの」と呼んだ。

「私たちは今後、法廷での闘争を開始する。この法案は、TikTokを利用する1億7000万人の米国人の憲法修正第1条の権利(表現の自由)を明らかに侵害するもので、アプリを通じて顧客を獲得し、新たな雇用を創出する700万社の中小企業に壊滅的な結果をもたらすものだ。そのため、私たちは闘い続けます」とベッカーマンは宣言した。

一方、オラクルのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのケン・グルエックは、TikTokの売却の是非をめぐる長引く可能性のある議論は、米国を振り出しに戻すことになりかねないとフォーブスに語った(オラクルは、以前からTikTokと提携し、米国人のデータを同社のサーバーに移し、TikTok USDSという別の独立した組織が管理することでアプリの懸念を払拭するためのプロジェクトのProject Texasに参加している)。

「第一に、これは法的な問題です」と語るグルエックは、その問題に決着がついた場合でも、アプリの売却の相手がいない場合はどうなるのかという問題が生じると述べている。「そうなれば、すべてが振り出しに戻ることになります」と彼は続けた。

迫り来る禁止令によってオラクルとTikTokの関係がどのように変わる可能性があるのかとの質問に対し、グルエックは「まったくわからない」と述べ、オラクルはTikTokがどうすべきかについて答える立場にないと語った。

アルゴリズムなしのTikTokを誰が買う?


かつて国家安全保障局(NSA)で法律顧問を務めたグレン・ガーステルは、TikTokは国家安全保障上の脅威になりうるが、バイデン政権が可決した法律は、「本当に悪い公共政策」であり、最高裁の矢面に立たされる可能性が高いと述べた。彼はまた、この法律が求めるアプリの売却が現実的ではないと指摘した(TikTokの売却を巡っては、複数の買い手候補の名前が浮上したり噂されたりしているが、どの企業や個人も実質的な動きを見せていない)。
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編集=上田裕資

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