北米

2024.05.02 11:30

「米TikTok禁止法の悪夢」は始まったばかり、実行不可能との見方も

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バイデン大統領は4月24日、中国のバイトダンスにTikTokを売却させるための法案に署名した。同社が従わない場合、このアプリは米国で禁止されることになる。この前例のない動きは、米国が外国資本のSNSアプリを禁止する初めての事例になる。

バイデン政権は、この法案の意図するところはTikTokの禁止ではなく、アプリが米国人の新たなオーナーのもとで運営され続けることを望んでいることを強調している(バイデン陣営は最近TikTokの利用を開始し、有権者にリーチするためにこのアプリを使い続ける予定だと述べている)。

しかし、1億7000万人の米国人が利用するTikTokを、バイトダンスから完全に切り離すことは、不可能に近いという意見が出始めている。このアプリの大部分は、中国のエンジニアが数年前に構築したバイトダンスのツール上で稼働している。そのため、米国と中国にまたがる両社のスタッフは、米国のユーザーやクリエイター、有名人や政治家、その他の公人に関する機密情報に広くアクセスできるようになった。

「バイトダンスとTikTokは、完全に一体化したもので切り離せない」と、昨年8月に同社を不当解雇されたと主張している元TikTok従業員のジョエル・カーターはフォーブスの取材に語った。「オフィスの書類やプロダクトやシステム、給与明細から見ても、TikTokで働く個人がバイトダンスの社員であることは、入社の初日から明らかだ」と彼は述べている。

そしてTikTok側は、バイデン政権の本当の狙いは、アプリの禁止にあると以前から主張している。「この法律の目的は、間違いなくTikTokの禁止であり、ユーザー個人の投稿を禁止することにあるのです。政治家たちは、そうではないというかもしれませんが、法案を提出した議員の多くは、TikTokの禁止が彼らの最終目標であることを認めています」とTikTokの周受資CEOは24日に語っている。

「けれど安心してください。私たちはどこにも行きません。私たちは自信をもって、皆さんの権利のために法廷で闘い続けます。米国の憲法は私たちの味方です」と彼は続けた。

「表現の自由」の侵害

バイデン政権によるこの法案の可決は、米国のウクライナやイスラエル、台湾への対外援助を提供する広範な支援パッケージの一環であり、1つの区切りではあるが、このきわめて人気が高いアプリに関する法廷闘争の幕開けでもある。
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編集=上田裕資

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