起業家

2024.05.04 11:00

年30億円を稼ぐ22歳、「Z世代のアイコン」エマ・チェンバレンの実力

そして今、YouTubeでの活動をかなり控えめにし、ドキュメンタリースタイルの動画に軸足を移してから1年後、彼女はこのプラットフォームに本格的に復帰する準備をしている。「私は今、YouTubeとの関係を再構築して、健全で楽しいものにする方法を見つけようとしています。私の情熱は動画コンテンツにあることを実感しています」

そしてもちろん、チェンバレン・コーヒーのプロモーションのための動画にも力を入れている。「コーヒーには、YouTubeを始める前から、ずっと情熱を持っていました」と話す彼女は、サンフランシスコには世界最高のコーヒーがあると主張している。

会社が成長するにつれ、チェンバレンの役割も進化してきた。店舗の戦略や販売戦略の立案、新たなメンバー候補の面接などだ。

Z世代に届くブランド

とはいえ、彼女の専門領域はクリエイティブで、Z世代に届くブランドのメッセージを打ち出そうとしている。キャンペーンのイメージに関して言えば、「チェンバレン・コーヒーはまず、美的感覚を優先します」と彼女は言い、広告がファッション雑誌に載っているかのように見えることを望んでいると付け加えた。

SNSとオンライン・マーケティングは同社にとって重要な成長エンジンだが、小売は新たな領域だ。チェンバレン・コーヒーの製品は、2021年にロサンゼルスの高級スーパーマーケットチェーン、Erewhon(エアウォン)に初めて登場し、2022年にはSprouts(スプラウツ)がそれに続いた。また、缶入りのラテは、2023年4月にウォルマートで6ヶ月間の独占試験販売を開始した後、顧客からのフィードバックに基づきリニューアルした。

チェンバレン・コーヒーは4月に米小売り大手ターゲットの800店舗と契約を結び、バニラやシナモンバン、モカなどのフレーバーの缶入りドリンクの販売を開始した。

クリエイターとしての大成功にもかかわらず、チェンバレンは有名人であることに執着していない。しかし彼女は、他のセレブたちとのコラボにも興奮している。チェンバレン・コーヒーは今年、ケンダル・ジェンナーのテキーラとコーチェラ・フェスティバルのポップアップでコラボし、エスプレッソ・マティーニを提供した。今後の展開としては、植物由来のプロダクトを広め、健康志向の人々の間でのブランドの存在感を確立することに注力している。

チェンバレンは、そんな急成長のキャリアの中でも、失敗に負けないことを大事にしている。「浮き沈みはあるし、失敗することもある」と話す彼女は、自分にこう言い聞かせている。「とにかく前進し続けるのよ。大人らしく振舞いながら、前に進んで行くの」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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