合格通知が出ると、全米の高校生やその保護者の間では、自分の高校でトップクラスの成績を誇る優秀な生徒であっても米国のトップ私大8校「アイビーリーグ」に入学できなかった人がいることに、衝撃が広がった。
先輩が不合格になったのを目の当たりにすると、成績優秀な2年生や3年生は、優秀な生徒になろうとする努力が無駄のように感じるかもしれない。しかし、成績がトップクラスの生徒であっても、トップクラスの大学に入学できない場合がある。
その理由としては、主に以下の3つが挙げられる。入試に備える人はこれらのポイントに留意して、志望校合格をめざそう。
1. アイビーリーグの入試は能力がすべてではない
まずは、「エリート校の入試はすべて能力主義である」という神話を払拭することが重要だ。アイビーリーグに入学した生徒のうち、かなりの割合が、学業や課外活動の成果以外の要素に基づいて入学を許可されていることは、以前から言われてきた。卒業生の子息や親族の入学を優遇する制度(レガシー・アドミッション)をやめるべきだという圧力が高まっているにもかかわらず、同制度を廃止するエリート校はほとんどない。エール大学の2027年卒業者のうち、レガシーが考慮されたのは11%で、3年前の8%から増えている。
ハーバード大学の場合、2027年卒の約3分の1は、何らかのレガシーがある。2023年の調査によると、レガシーを持つ学生は、アイビーリーグ校や他の名門大学に合格する確率が4倍高い。成績が同じくらいでレガシーのある生徒と競争している優秀な生徒の中には、入学願書の内容以外の理由で不合格になった人がいるかもしれない。
2. 説得力のある「ストーリー」が必要
優秀な成績やテストのスコアは、アイビーリーグに入るための重要な基盤だが、一流大学が求めるのはそれだけではない。アイビーリーグは、毎年何千通と寄せられる願書を総合的に審査する。たとえばハーバード大学は「各出願者の経歴と経験のあらゆる側面を幅広く審査する」と約束している。しかし当然のことながら、出願者数が5万人を超えるような大学が、出願者一人一人に対してそのような個別審査を行えるのか、という疑問を抱く人は多いだろう。