教育

2023.02.15

米大学の61%、コロナ禍で授業料収入が減少

Getty Images

米国では新型コロナウイルスの流行を受け、61%の大学で純授業料収入が減少したとする新たな分析結果が、米高等教育専門紙「クロニクル・オブ・ハイアー・エデュケーション(Chronicle of Higher Education)」により発表された。

純授業料収入とは、学生が支払う授業料から、大学が学生に支給する学資援助などの費用を差し引いた額。分析結果によると、授業料は私立4年制大学にとって最大の収入源となっている一方、公立4年制大学では収入の5分の1を占めている。

同誌は、統合高等教育データシステム(IPEDS)のデータに基づき、全米3400校の2019年~21年の授業料収入を調べた。「アイビーリーグ」と呼ばれる名門私立大8校では、プリンストン大学の減少幅が最も大きく(21%減)、次いでハーバード(18%減)、エールとブラウン(それぞれ11%減)、コロンビア(6%減)となった。コーネル大学は3%増、ダートマス大学とペンシルベニア大学はそれぞれ1%の増収となっている。

コロナ流行による純授業料収入の減少が最も顕著だったのは2年制大学で、70%以上の学校で減少。この割合は公立大学では60%、私立大学では58%だった。

減収傾向は、コロナ流行中に起きた大学入学者数の減少傾向とほぼ一致している。全米学生クリアリングハウス・リサーチ・センターの推計によると、学部生と大学院生を合わせた在籍者総数は19~22年の間に約111万人減少。17~22年の5年間では、1994万9828人から9%減の1815万5619人となった。コロナ流行前の2年間と流行後の3年間にかけ、約180万人の学生が減少した計算だ。22年秋の新入生数は若干回復したとはいえ、この5年間の入学者数は毎年減少していた。

21年の純授業料収入は、2年制大学で前年比6.3%減、私立4年制非営利大学で同2.2%減、公立4年制大学で同1.6%減となった。前年比で増加したのは4年制の営利大学のみで、その幅は8%だった。

純授業料収入は、寮に住む学生が多い大学のほぼ3分の2で減少したのに対し、全寮制大学では62%、寮がない大学では48%で減少した。

入試の難易度では大きな差はなかった。最難関校の55%で授業料収入が減少したのに対し、難関校では62%、安易校では59%で減少していた。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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