政治

2024.04.15

米共和党の一部議員が「対イラン報復」を要求するも、大半は不支持

ミッチ・マコネル院内総務(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

米議会の共和党議員らは、イランのイスラエルへの攻撃に対するバイデン大統領の対応をいち早く批判したものの、ほとんどの議員は政府に軍事的対応を求めることには抵抗している。このことは、イランに対する大規模な攻撃や米国の介入への支持の低さを示している。

テネシー州選出のマーシャ・ブラックバーン上院議員は、13日の攻撃開始後に米国は迅速に行動し、「イランへの積極的な報復攻撃を開始しなければならない」と述べたが、彼はイランに対する直接攻撃を支持する数少ない共和党リーダーの1人だ。

共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は、バイデン政権は「イランに十分なコストを課して、侵略とテロ行為をやめさせる国際的な努力を主導すべきだ」と述べ、共和党のトム・コットン上院議員も、「米国はイスラエルを全面的に支援すべきだ」と述べたが、どちらも直接的な報復は求めていない。

マイク・ジョンソン下院議長(共和党)は、「適切な対応を主張するためにホワイトハウスと協力する」と述べたが、その対応の詳細については明らかにしなかった。

トランプ前大統領は、ペンシルベニア州シュネックスビルで開かれた集会で、今回の攻撃は「我々がホワイトハウスにいれば起きなかった」と聴衆に語り、10月のハマスによる攻撃とロシアのウクライナ侵攻の際と同じ主張を繰り返したが、報復攻撃には言及しなかった。

ジョン・ボルトン前国家安全保障顧問は14日のCNNで、イスラエルに対し、イランの石油精製所や防衛拠点、潜在的な核開発プログラムを標的にするよう呼びかけた。

バイデン大統領は声明で、イスラエルに対する米国の支持を「鉄壁のもの」と呼んだが、ネタニヤフ首相に対しては、「米国はイスラエルのイランに対する反撃に加わらない」と内々に伝えたと複数のメディアが報じている。

長年の対イラン強硬派として知られる共和党のリンジー・グラハム上院議員は、X(旧ツイッター)への投稿でバイデン大統領を非難し、「バイデン政権が世界中で情けないほど弱腰であることが、破滅的な紛争の元凶だ」と主張した。しかし、グラハム議員は、イスラエルが「なすべきことをなすべきだ」と述べたが、彼もまた米国が報復攻撃に加わるよう求めることには抵抗した。

ジョンソン下院議長をはじめとする下院の共和党指導者たちは13日、軍事攻撃を呼びかける代わりに、2カ月前に否決されたイスラエルへの軍事援助法案を可決するよう再び議会に働きかけると述べた。共和党は最初に、イスラエル、ウクライナ、台湾に数十億ドルを提供する援助法案を否決した後に、イスラエルに175億ドル(約2兆7000億円)を援助する単独法案をまとめ、その中には防空・ミサイル防衛システムのための数十億ドルが含まれていた。

しかし、民主党議員の多くが、イスラエルだけでなくウクライナや国境警備の強化にも援助を提供する超党派の法案を支持して反対したため、この法案は3分の2以上の賛成票を得ることができなかった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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