北米

2024.04.11

「もしトラ」の立役者に? ケネディJr.陣営が共和党とつるみ「バイデン排除」画策

2024年の米大統領選に無所属で立候補しているロバート・F・ケネディ・ジュニア(Ringo Chiu / Shutterstock.com)

11月の米大統領選に無所属で立候補しているロバート・F・ケネディ・ジュニアの陣営関係者が、選挙運動の第一の目標は民主党の現職ジョー・バイデン大統領を「排除すること」だと明言し、バイデンの選挙人獲得数を減らす策として、共和党員に対して民主党の地盤の州でケネディを支持するよう呼びかけている。CNNが今週報じた。民主党側は、共和党の候補指名が確定しているドナルド・トランプ前大統領の当選をケネディが後押しするシナリオに懸念を募らせている。

CNNによると、ケネディ陣営のニューヨーク州の責任者とされるリタ・パルマは、YouTubeに投稿された動画のなかで、トランプがニューヨーク州で勝てる唯一の方法は「ボビー(ケネディ)の名前が候補者名簿に載っていること」だと同州の共和党員らとの会合で主張。候補者がトランプとバイデンだけならバイデンが勝つが、「ボビーが混じれば何が起こるかわからない」などと語った。

動画では、「バイデンの大統領選当選の阻止」に向けた行動をパルマがスライドで紹介する場面もある。動画は現在削除されているが、パルマはCNNに本物だと認めている。

パルマは次のような戦略を採るべきだと訴えている。民主党地盤の州でバイデンから選挙人を奪う。そうして、選挙人の獲得数がバイデンもトランプも過半数の270人に届かないようにする。そうなれば新大統領の選出は議会に委ねられ、「共和党が支配する議会ならトランプを選出する。いずれにせよバイデンは排除される」──と。

パルマは共和党側に「わたしたちはいま同じチームだし、トランプかケネディが勝つ限り、今後も同じチームだろう」とも話したという。

パルマの発言は、ケネディ陣営の少なくとも1人が、ケネディの選挙運動では本人の当選よりもバイデンの再選阻止に重点を置いていることを示すものだ。

ケネディ陣営はフォーブスの取材に対し、パルマは選挙への立候補の手続きを専門とするコンサルタントで、選挙戦略には関与していないと説明。パルマの発言は「トランプを支持していた層とバイデンを支持していた層からともに票を得て、ホワイトハウスの座を勝ち取るというケネディ陣営の戦略を反映したものではない」と主張した。
次ページ > 民主党側は、ケネディの動きはバイデンを不利にしかねないとみて神経をとがらせている

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事