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2024.05.06 08:00

海外採用を効率化するHRテック企業、Borderless AIが約40億円調達

Getty Images

一方、ガートナーのバイスプレジデントであるジョン・コストーラスによると、グローバル採用のためのサービスやツールを購入する企業の人事担当幹部たちは、コンプライアンスやカスタマー・エクスペリエンスを優先しており、スピードや効率性に対するニーズは低いという。「企業にとって重要なのは、ケニアで開発者を採用したり、ブルガリアでエンジニアを採用する際に、現地の法令を遵守することだ」とコストーラスは話す。また、ガートナーのもう1人のアナリスト、エザー・リザオグルは、新たなHRテックを導入する際に、既存システムとの連携も多くの企業にとって課題となっていると指摘する。
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クロスによると、コンプライアンスはボーダーレスAIにとって必須要件であり、法律パートナーであるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)やノートンローズフルブライトと協力して検索したデータの整理方法を微調整するなど、モデル用の知識をキュレートしているという。「我々が今一番注力しているのは、業界最高水準の信頼性と正確性を持つAIモデルを構築し、企業の国際的な採用ニーズに応えたサービスを提供することだ」と彼は話す。クロスは、EOR市場が2028年まで毎年10億ドルの成長が見込まれるというIECグループのデータを示し、ボーダーレスAIは他のシステムとの統合を進めると述べた。彼によると、中小企業にとっては、スピードとコストがより大きな課題だという。

ボーダーレスAIを導入した小規模なフィンテック・スタートアップであるAffinitiが良い例だ。同社は、インドやトルコ、カナダのエンジニアを採用するのにボーダーレスAIを利用した。

異業種からの参入

クロスはボーダーレスAIを創業する前、領域が全く異なるペットシッターのマーケットプレイスGoFetch.caを設立し、2018年に事業を売却している。彼は、ボーダーレスAIを設立するに当たり、面識のなかったアガーワルにコールドメールを送って自己紹介をし、共に同社を立ち上げた。2人は、それまでの仕事でグローバル採用の難しさを目の当たりにしていたという。彼らは、同じくトロントに本拠を置くコヒアを提携パートナーとして選んだが、その理由として、データの安全性に重点を置いていることと、データの検索と提示の方法が優れていることを挙げる。

コヒアでプロダクト担当ディレクターを務めるジョナサン・ローゼンブルースは、「企業のHR部門にとって、情報源を確認できることが重要だ」と指摘する。彼によると、コヒアは顧客企業に引用情報を提供しており、顧客のプライベートデータでモデルをトレーニングすることはないという。「我々は、モデルを通じて流れる情報や、トレーニングに使われるデータにアクセスすることはできない」とローゼンブルースは語った。
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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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