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2024.04.04 11:00

プーチン大統領も恐れるメッセージアプリ「テレグラム」は本当に危険なのか?

英ロイター通信は、ドゥロフがテレグラム上で、新たな暴力行為を呼び掛けるようなメッセージを投稿する匿名のユーザーが相次いでいるとし、これを阻止するために直ちに対策を講じたと発表したと報じた。ドゥロフは「このようなメッセージを送信しようとした数万件の試みを傍受し、このフラッシュモブ(訳注:インターネット上で呼び掛けられた人々が公共の場に集結し、事前に申し合わせた行動を取ること)に参加していたユーザー数千人のテレグラムアカウントを凍結した」と投稿したという。だが、ドゥロフのチャンネルには現在、この投稿は残っていない。

皮肉なことに、ドゥロフのコメントは先に挙げた最後の危険性を示唆している。つまり、テレグラムでは1対1のチャットではデフォルトで、グループチャットではどのような形であれ、エンドツーエンドの暗号化が行われていないのだ。ロシアのインターネットセキュリティー企業カスペルスキーは、テレグラムがデフォルトではエンドツーエンド暗号化を適用しておらず、ユーザーに安全な選択肢を通知していないと警告した。安全だと宣伝されていたからこそテレグラムをインストールしたユーザーが、通信内容を非公開にしたいとは考えなかったのだろうか? メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)のデータ収集帝国の一部である悪名高いワッツアップでさえ、デフォルトでエンドツーエンド暗号化を適用しているというのに。ワッツアップの通信は何も設定しなくても、送信者と受信者以外のすべての部外者から保護されている。

ペスコフ報道官によると、プーチン大統領は現在のところ、ロシア国内でテレグラムを禁止する計画はないとしているが、同プラットフォームが警告を受けていることは紛れもない事実だ。2021年のワッツアップの規約変更が改悪だとして波紋を広げて以来、人気が急上昇しているテレグラムに、各国がどう対処するかは未知数だ。

英経済紙フィナンシャル・タイムズが報じたように、メタのフェイスブックやグーグルのユーチューブをはじめとする同業他社が規制を強化する中、そこから逃れてきた無法者や偽情報の拡散者、陰謀論者や過激派などがテレグラムに集まりつつある。国民が情報を得るためにテレグラムを使用している国の中には、政府自らが同プラットフォームをプロパガンダの武器にしようとしていると警鐘を鳴らす専門家もいる。

では、テレグラムの使用はやめた方が良いのだろうか? 恐らくそうだろう。これは慎重に行ってほしい。また、無料プレミアム会員と引き換えに、商用ショートメッセージサービス(SMS)向けに電話番号を使用する許可を求めるなど、リスクの高い更新が提案されたら絶対に断るべきだ。筆者が助言するとしたら、ワッツアップにとどまることを勧める。テレグラムの方が先進的に見えるかもしれないが、子どもの頃、母親から避けるように注意されたこととまったく同じだと考えよう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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