欧州

2024.04.01 08:30

ウクライナ、ようやく数百万発の砲弾入手か 大砲の修理急ぐ

安井克至
榴弾砲の不足はウクライナ軍の砲兵隊が直面する最大の問題ではない。最も悩ましいのは、ウクライナへの米国の追加支援を昨年10月から妨害している米下院のロシア寄りの共和党議員らだ。ウクライナ軍の大砲は以前、1日に1万発発射していたが、米国から砲弾が届かなくなったことでその数はわずか2000発になった。

だが共和党は、権威主義的なロシアより民主主義のウクライナを支持すべきという強い圧力についに屈しつつあるかもしれない。マイク・ジョンソン下院議長は、ウクライナへの追加支援案を4月に採決にかけることを約束した。

採決が行われれば、もしかすると米政府が数十万発にのぼる砲弾をウクライナに緊急に出荷する可能性がある。チェコ主導のコンソーシアムがウクライナのために購入した少なくとも100万発の砲弾が同国に到着するのと同じ頃に米国の砲弾も届き始めるかもしれない。ウクライナはまた、欧州連合(EU)が昨年供与を約束した100万発の砲弾のうち、残る数十万発を手に入れつつある。

つまり、ウクライナは間もなく砲弾が潤沢になる可能性があるということだ。

そうなればウクライナ軍の砲兵部隊は、安全に使えるすべての大砲を再配備したいはずだ。そこには損傷し、まだ大半が修理されていない38門のM777も含まれる。だからこそ、ウクライナがM777を国産部品を使って国内で修理し始めたことは、非常に大きな意味を持つのだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事