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2024.03.31 16:00

AIの画像解析で「性病の早期発見」謳うアプリの謎だらけの実態

安井克至
一方、法律事務所Reed Smith(リード・スミス)のパートナーで、ヘルスケア企業にセキュリティとプライバシーに関するアドバイス提供するウェンデル・バートニックは「たとえCalmaraがユーザーから共有された画像を削除したとしても、彼らはこの素材を収集していることに変わりはなく、したがって特定のデータプライバシー法に触れる可能性がある」と話す。Calmaraは、同社のサービスがHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の適用外だと主張している。

マッチングサイトとの提携

「彼らが受け取る写真には誰かの顔が含まれている可能性が非常に高く、もしそうであれば、一部の州の個人情報関連の規制対象になる可能性がある」とバートニックは述べた。

医療画像を扱う多くのプラットフォームと同様に、CalmaraとHeHealthは非常にセンシティブな画像を扱っている。「私の従業員のコンピュータはペニスの写真でいっぱいです」とクララスニはフォーブスに語った。

ルーとクララスニはここ最近、アプリのデータ保持期間を変更するなど、静かにプロダクトをアップデートしている。フォーブスがルーに取材を申し込んだ後、HeHealthはウェブサイトから、南カリフォルニア大学やハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院、ノースカロライナ大学チャペルヒル校を含む「現在進行中のエリート学術機関との提携」のリストを削除した。この3校はいずれも、HeHealthやCalmaraと提携していないとフォーブスに語った。

一方で、創業者たちは、Calmaraが注目を集めたことを喜んでいるようだ。このプラットフォームは最近テッククランチの記事でも取り上げられ「ザ・トゥナイト・ショー」では嘲笑されたが、クララスニはリンクトインの投稿で「CalmaraとHeHealthが賞賛されているのを見て興奮している」と書いていた。創業者たちはフォーブスに、数日中に製品の最新情報を提供すると語ったが、その後、連絡は途絶えた。

ルーは、あるマッチングサイトとの提携の可能性について「交渉中」だと主張したが、それ以上のことは明かさなかった。クララスニは、自分のテクノロジーで10億人の命を救うことが目標だと語っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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