マーケットを支配するグーグルのChromeは、10億人以上のWindowsユーザーのデフォルトブラウザになっている。そして、そのほぼすべてのデフォルト検索エンジンはグーグルだ。
この状況はマイクロソフトを苛立たせているようであり、なぜ(マイクロソフトの)Windowsユーザーが、ブラウザに(マイクロソフトの)Edgeを使わず、検索エンジンに(マイクロソフトの)Bingを使わないのか、その理由を同社は理解していないようだ。そして彼らはこの状況を変えたがっている。
先月私は、Mozilla(こちらもブラウザ市場でChromeの後塵を拝している) が独自の調査を行い、WindowsのChromeユーザーに対して、Chromeをインストールすると「Edgeに切り替えましょう」というバナーとポップアップで溢れかえることを警告したことを報じた。同じレポートでは、Bingのメッセージもこれらのユーザーを標的にしていると警告している。
その1カ月後、再びそれは起きた。最初に報じたWindows Latestによると「マイクロソフトはサーバーサイドのアップデートを行い、一部のChromeユーザーを騙してBingをデフォルト検索エンジンにさせようとした」。Redditなどでも、新しいBingのポップアップはひどく苛立たしく、マルウェアのようだと警告している。そのポップアップは安全であり、マルウェアではない。これは、ChromeユーザーをGoogle検索からBingに乗り換えさせようとするしつこい広告であり、別のタイプの問題だ。
The Vergeによると「マイクロソフトはこのポップアップが本物であり、一度しか表示されないことを確認した」という。同社の広報担当者は、Chromeユーザーは、Copilot(別名ChatGPT)のプロンプトという形で、マイクロソフトの無料サービスが提供されていると示唆している。。「当社はお客様に選択肢を与えることを大切にしているので、そのような通知は無視できるようになっています」
マイクロソフトの説明とは裏腹に、ネットにはこのBingのプロモーションが、先のEdgeのしつこいアピールを再現したものになっているという書き込みもある。そこにはEdgeがChromeの設定をユーザーの許可なくコピーしているという説明もあったが、それはマイクロソフト側のミスであり後に修正された。
問題はもちろん、マイクロソフトのバナーやポップアップが単なるマーケティングではなく、OSの通知としてWindowsユーザーに表示されることだ。Mozillaのレポートは「ChromeのダウンロードページでEdgeのプロモーションメッセージを見たユーザーは、驚き、心配になるかもしれない。なぜならばバナーは通常のものと異なるため、非常に重要なものに違いないと思うからだ」と指摘している。