このオプションは、すでに一部のPixelスマホ(少なくとも筆者のPixel 8 Proでは)の設定メニューの「安全性と緊急事態」のサブメニューに表示されているが、現状ではタップしても反応しない。グーグルがアップデート中に誤って追加した、もしくは新機能の予告として表示しているのかもしれない。
グーグルに特化したニュースサイト9To5Googleは、ルート化したPixelスマホを使ってこの機能を掘り下げて調査することに成功した。それによると、ユーザーが衛星通信を使って緊急サービスに通話したり、テキストを送信することができるという。また、グーグルマップの位置情報に加え、グーグルアカウントに登録されている名前やIMEI番号、バッテリー残量、メールアドレス、緊急連絡先、電話番号などの情報も共有されるという。
9to5Googleが撮影したアプリのスクリーンショットを見ると、ユーザーは緊急サービスに共有する情報を選択できることがわかる。興味深いことに、設定メニューにはGarmin(ガーミン)という表記があり、同社が提供する捜索・救助保険プランに加入することが可能だ。グーグルは、ガーミンと提携してAndroid端末向けの衛星通信サービスを早ければ昨年に開始すると噂されていた。
衛星通話機能が幅広く利用可能になった場合、PixelスマホとAndroidにとって大きなアップグレードになるだろう。その理由は、安全上の理由に加え、アップルが同じ機能を最近のiPhoneに導入したことにある。道に迷ったハイカーが、iPhone 14の衛星通信機能で救助を求め、助かったという事例がすでに複数件報告されている。このようなサービスは、命を救うだけでなく、適切に機能すれば大きなマーケティング効果が期待できる。
アップルは、iPhoneの衛星通信機能を3年間無料で提供するとしている。同社が2026年から有料化するかは不明だが、その選択肢を残していることは明白だ。Pixelスマホでは、ガーミンの保険プランが用意されていることから、グーグルも将来的にこの機能を有料化することを検討している可能性がある。
サムスンがスマホの一部機能をサブスクリプションサービスとして提供することをほのめかしていることから、グーグルも同様の手段をとることが懸念される。
(forbes.com 原文)