経済

2024.02.28 08:30

確実に進む日米欧の中国からの「デカップリング」、データが証明

中国との貿易が活発になっている唯一の地域は、原材料や農産物の輸出に依存している経済圏だ。中国税関総署によると、ブラジルと中国の貿易は急増している。ブラジルから中国への輸出は昨年、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前の水準を60%ほど上回り、ブラジルの中国からの輸入は50%増加した。いずれもパンデミック以前の水準は低かった。

オーストラリアも対中貿易が伸びている。2023年の中国への輸出は前年比17%増だった。この数字は将来の発展性を誇張しすぎており、中国が2020年にオーストラリアからの輸入品に課した懲罰的な関税を撤廃したことで、以前の貿易水準に追いついたことを反映しているだけの可能性がある。

ロシアも中国との貿易が急増し、主にエネルギーを輸出し、消費財を輸入している。西側諸国がウクライナ侵攻をめぐってロシアとの貿易を制限し続ける限り、中国とロシアの貿易は拡大し続けるだろう。

こうした動きの結果、中国の貿易の構成は著しく変化している。中国税関総署によると、中国の輸出入に占める米国の割合は2018年から2023年にかけて2.5ポイント低下した。日本のシェアは2ポイント近く、韓国は約1.5ポイント縮小。欧州のシェアは約0.5ポイント減った。

対照的にロシアのシェアは2ポイント、ブラジルとオーストラリアはそれぞれ0.5ポイント拡大した。東南アジア諸国連合(ASEAN)のシェアは2.5ポイントほど増えているが、これは互いの位置付けの変化というよりも、ASEANが比較的急成長しているためだ。こうした数字は小さなものに見えるかもしれないが、貿易の一般的な流れから見ると比較的短期間に驚くべき動きがあったことになる。
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翻訳=溝口慈子

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