IAUは、冥王星を含むこれらの天体をすべて「準惑星」に分類した。太陽から遠方に位置することから、エッジワース・カイパーベルト天体(KBO)と呼ばれることも多い。カイパーベルトは、氷に覆われた天体が分布する広大なドーナツ形の領域で、海王星の軌道の外側の太陽系外縁部にある。これらの氷天体は最近まで、寒冷で内部活動がないと考えられていた。だが、氷天体は中心部が温暖である可能性があるとの認識がますます高まっており、このたびその新たな証拠が浮上した。
活動的な天体
米航空宇宙局(NASA)の探査機ニュー・ホライズンズが2015年に撮影した氷の平原、山脈、砂丘、氷火山などの画像から、冥王星が地質学的に活発であることが明らかになったのと同様に、今回の研究によってエリスとマケマケが、どちらも活動的な天体であることが確認された。学術誌Icarusに掲載された今回の研究をまとめた論文では、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測データを用いて、氷に覆われた両準惑星の内部で熱水・変成作用が起きている証拠を明らかにしている。両準惑星の表面で検出されたメタンは、岩石質の中心核(コア)で高温の地質化学的反応が起きていることを示唆している。