「土」で3Dプリントした持続可能な住宅 目指すは火星での建設

プレスリリースより

建築用3Dプリンターで家を建てる実験は世界各地で行われているが、土を材料にした3Dプリント住宅のモデルハウスが完成した。現場で手に入る土を使うことで、コストや工期、さらに資材運搬のためのエネルギーを大幅に削減できる。これは、遠い火星での住宅建設にも大きな効果を発揮する建築方式だ。

「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションのもとで住宅の設計施工を行うLib Work(リブワーク)は、土をおもな材料にした3Dプリント住宅「Lib Earth House」を完成させた。 どこでも手に入る土を使うことで、建設にかかるコスト、建築資材の製造や運搬による二酸化炭素の排出量、廃棄物などを大幅に減らせるメリットがある。また3Dプリントなので、これまでの建築とは違って自由なデザインが可能だ。しかもプリンターが自動で作ってくれるので、人手も少なくて済み、工期も短縮できる。そこでもコストや二酸化炭素の排出量を抑えることが可能となる。

土の壁は、古くから日本家屋で使われてきた。調湿性や断熱性に優れるため、日本の気候に合っている。また、壊せば土に還るという「サーキュラーエコノミー」の理念にも合致するとLib Workは主張する。同社はその特徴を活かし、「火星での住宅建築プロジェクト」を目指すという。火星の資源を最大限に活用し、地球からの運搬を最小限に留める3Dプリント建築は、「将来の宇宙開発における基盤の構築に寄与します」とのことだ。

耐震性などの建築基準をクリアできれば、低コストで工期が短い特徴を活かして、災害時の仮設住宅などにも応用できるかもしれない。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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