テクノロジー

2024.02.05 08:45

小規模農家を助ける安価な水田除草ロボット「ミズニゴール2024」

リリースベース(松村)

プレスリリースより

水田の雑草取りは大変な労働だ。人手不足や高齢化に悩む農家は、健康志向や環境保護の気運とは裏腹に除草剤に頼らざるを得ず、高く売れる人気の無農薬米を作りたくても作れない状況となっている。国はテクノロジーを駆使したスマート農業を推進しているが、ある程度以上の規模でなければ助成金がもらえない。そこで、長野県を拠点に小規模農家のためのスマート農業を推進する企業ハタケホットケは、安価な水田除草ロボット「ミズニゴール」を開発した。地道な実証試験を重ね、この春に本格リリースされる。

ミズニゴールは、大きな車輪で水田の中を走行して泥を巻き上げ水を濁らせるというもの。水底に太陽の光が届かなくなるので、芽生えたばかりの雑草は光合成ができず成長が抑えられる。これは、田んぼの中をチェーンを引きずって歩く「チェーン除草」に着想を得た方法だ。チェーン除草は、チェーンの重さに加えて水や泥の抵抗もあるため、かなりの重労働となる。

ハタケホットケは、2022年から長野県の水田で実験を開始し、昨年はミズニゴールを使ってブランド米の無農薬栽培に成功。収穫した米の販売を実現させた。今回リリースされるのは、GPSで自律的に除草ができるプロトタイプ「ミズニゴール2.0」のさらに改良版となる「ミズニゴール2024」だ。GPS自動運転版と、ラジコン操縦版の2種類がある。生産台数はGPSが30台、ラジコンが70台の計100台。4月中旬から貸し出しが始まる予定だ。

ミズニゴールは、小規模農家が共同で運用して経費を削減できるよう、移動やメンテナンスが楽に行える構造になっているが、ハタケホットケは、ロボットの管理を行う「地域サポーター制度」も同時に導入する。地域サポーターを雇って、ロボットの管理やメンテナンスを引き受けさせるというものだ。これにより農家は米作りに専念できる。これは「持続的な地域の雇用促進と収益化」につながると同社は話している。
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除草ロボ「ミズニゴール」でブランド米を収穫

レンタル料金
ミズニゴール2024 RC(ラジコン):22万0000円(税込)
ミズニゴール2024 GPS(ラジコン+自動運転):33万0000円(税込)
追加バッテリー、GPS設定費用は別途。

レンタル対象は全国の農家、自治体、農業関係機関。
ただし、GPS版は長野県と近県のみの提供となる。先着順なので、予定数を上回った場合はキャンセル待ちとなる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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