経営・戦略

2024.02.11 14:00

「ギャレンタインデー」? 自分でつくる「お祝いの日」をマーケティングに活かす

日下部博一
1. セレブレーション・エコノミーでは、マーケティング担当者は無限に創造性を活かすことができる。セレブレーション・エコノミーの例として筆者が最も好きなもののひとつが、米宅配ピザチェーンのドミノ・ピザによるものだ。同社は2017年に、新米のママ・パパを祝うキャンペーンを実施した。このキャンペーンでは、親になる人たちにピザ購入に使えるギフトカードを贈ろうと呼びかけ、新米ママ・パパは当然ピザで祝われるべきというメッセージを込めた。自社の製品やサービスで顧客が人生のささやかな節目を祝えるよう、あなたは創造性をどのように働かせることができるだろうか。

2. お祝い日を作ることは、顧客とつながりを保つための有意義な方法だ。最近筆者がメールをチェックすると、車を購入したときの営業担当者から好意的なビデオメッセージが届いていた。その担当者は「スバルと出会って3年、おめでとう!」と書かれたカードを持っていた。筆者の車購入の記念日を祝うことで連絡を取り続けるというのは、なんとも驚きであり、嬉しいやり方だ。もしこのビデオが送られてこなかったら、筆者はこの記念日を思い出すことはなかっただろう。祝福してくれていると感じさせると同時に、次回の車の購入、あるいは車の購入を考えている人にディーラーの営業担当者を紹介しようと思ったとき、自分のことを一番に思い出してもらうための理想的な方法だ。顧客とつながるきっかけとして、顧客の記念日をあなたはどのように活用できるだろうか。

3. 楽しいことばかりではない。お祝いイベントは、女性にとって深刻な側面もある。参加者のお世話をしたり社会的関係を維持することに関わる感情労働の一部でもあるのだ。拙著『Winning Her Business』にも書いたように、女性は家庭や一族、職場、地域社会で節目を祝うための役割を担うことが多く、それに伴う計画や必要なものの調達、贈り物の手配を取り仕切るのが一般的だ。現在でも、女性が準備することが文化的に期待されている。女性は一年中休むことなく責任を負っており、そうした責任のひとつであるお祝いの準備や贈り物の検討が、より容易で楽しいものになるよう、あなたの会社には何ができるだろうか。

私たち全員が考えるきっかけとなる日だ。皆さん、ギャレンタインデーおめでとう。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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