食&酒

2024.02.10

サボテンを日本の食卓へ 食糧危機も救える逸材

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暑さと乾燥に強く、ミネラルや食物繊維が豊富で栄養価も高いサボテンは、国連食糧農業機関も「世界の食糧危機を救う作物になりうる」と評価している期待の食材だ。サボテンを野菜として、また加工原料としての有用性を示して日本に定着させるためのプロジェクトが始まった。

医薬品材料や健康食品原料の輸入販売を行う綿半トレーディングは、すでにメキシコで栽培した食用ウチワサボテンからオーガニックな化粧品材料を製造しているが、これを日本でも農作物として栽培し、有用性を証明する共同研究を中部大学と行う。
メキシコで育つウチワサボテン(左)と綿半トレーディングのウチワサボテン製品。

メキシコで育つウチワサボテン(左)と綿半トレーディングのウチワサボテン製品。

サボテン生産量日本一の愛知県春日井市も、食用サボテンの普及に努めているが、生産量が少ないため全国的にはあまり馴染みがない。この共同研究では「健康機能特性の解明、鮮度保持法・最適調理法の確立、高品質加工食品の開発、茎や果実を用いた製品開発と機能性表示食品への登録」によって日本でのサボテン認知度向上を目指すということだ。
生研支援センター公募の「令和5年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業」で栽培中のサボテン。

生研支援センター公募の「令和5年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業」で栽培中のサボテン。

サボテンの栽培は、耕作放棄地などの荒れた土地でも、ほとんど手間をかけずに行える利点がある。また地下茎で増えるために毎年種を撒く必要もない。農家にとっても、救いの作物となりそうだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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