音楽

2024.02.02

23歳のウクレレ奏者RIO。4弦で追求する「奇跡の調和」と可能性

ウクレレプレーヤー RIO

ハワイ留学から帰国後も、毎年夏になると恩師の一人のアルフレッド・カノピンを訪ね、自宅に泊まり込みでウクレレを習った。

「夜になると先生の部屋からウクレレの音が聞こえてきます。1930年代の古い曲もあれば、日本の曲も。様々なジャンルの楽曲をウクレレ用にアレンジしているんです。僕は自分の部屋から聞いていて、“これ”と思う曲があると走っていって、教えてくださいとお願いするんです。そこから夜のレッスンがはじまります」

コロナ禍以降は会えていないものの、オンラインでの交流はあるという。彼は80代になった今も毎晩の習慣を続けているようだ。

ジェイク・シマブクロとの出会い

プロを意識したのは、東日本大震災がきっかけ。2011年3月11日は、RIOがハワイ留学に行く直前のことだった。予定通りにハワイに渡航したものの、ニュースを通して、日本に国内外からさまざまな救いの手が伸べられている様子を見ていた。

世界的ウクレレ奏者のジェイク・シマブクロもその一人だった。ハワイで彼が開催したチャリティーライブを見て、音楽が持つ力を実感したのだ。

「それまではただ上手に弾きたいと思って練習していたのですが、ジェイクのライブを見て、自分も誰かに力を与えたいと思いました」

彼に影響を受けたRIOは、ハワイでのコンテスト出場時に、被災地に向けた絵やメッセージを書いたTシャツを着て演奏をした。このときから、ただ楽しむだけでなく、聴いてくれる人のことも考えるようになったという。まさにアロハ・スピリットの体現である。

この年に初めてハワイでコンテストに出場し、その2年後、13歳の時にダイナーズクラブ主催のジャズコンテストで優秀賞に輝いた。そこからジャズを深く学ぶようになる。

フランスのジャズギタリスト、ビレリ・ラグレーンとの出会いも大きかった。彼は、10代で「神童」と評された才能を持ち、近年は自身のルーツでもある「マヌーシュジャズ」を追求しているジャズミュージシャンだ。
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文=尾田健太郎 取材・編集=田中友梨 撮影=小田駿一

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