経営・戦略

2024.01.26 09:15

「売れる営業」は何が違う? CRMの本当の使い方【マッキンゼー営業改革の教室】

Getty Images

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2020年に始まったコロナ禍では、営業のあり方が大きく変わりました。

特に、顧客への訪問営業や出社による情報交換が難しくなり、多くの企業がDX、すなわち営業のデジタル改革に投資を開始しました。中でもCRMやSFAは、顧客を軸とした情報の整理や見える化、社内での情報交換を可能とするツールとして、多くの企業で導入されています。

CRMとは、顧客営業管理システム(Customer Relationship Management System)の略。文字通り顧客に関する情報を整理し、自社の営業による訪問、メール、見積書発行などの対応履歴を、顧客別に一元管理する仕組みです。

顧客別に情報が整理されることで、顧客ニーズに対してより効率的にアプローチができます。たとえば、顧客にニーズがあるのに、自社の営業がアプローチしていないなどのミスマッチを探し、機会損失を防ぐことができます。顧客から案件受注する前のやり取りを可視化することで、効率的に受注を可能とするのが本来のCRMの役割です。

*近年はCRMの機能が複雑化しているため、営業活動や営業担当のパフォーマンスについてはSFA、見込み客の管理・分析はMAなどと別の呼び名がついていることもありますが、本稿ではこれらのシステムをまとめてCRM、またはCRM/SFAと記載させていただきます。

CRMでは、まだ顧客にはなっていない「リード(見込み客)」に対しても名刺などのコンタクト先を入れたり、IRなどの公開情報から分析をしたりして、より効果的なアプローチの仕方を探すこともできます* 。

2023年3月にマッキンゼーで行った調査によると、CRMなどで見込み顧客の分析をしている企業は、そうでない場合に比べ、売上を平均で20%増加させることに成功しています(Jochen Boeringer et al, “Leveraging growth analytics for B2B Sales”, Harvard Business Review 2023 Mar)。

* 近年では、見込み客向けの管理・分析などのマーケティング業務の自動化をMA(Marketing Automation)と呼んで区別することがあります
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文=倉本由香利

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