北米

2024.01.11 09:00

「クリーン水素」業界がバイデン政権の税額控除案に反発する理由

クリーン水素産業に負担を強いる規則

通称「45V」と呼ばれる税額控除の規則案は、エネルギー省をはじめ、大気浄化法を管理する環境保護庁などの連邦政府機関の意見を取り入れて作成された。この提案には60日間のパブリックコメント期間が設けられており、税額控除の最終的な実施は2024年後半になる可能性がある。

「バイデン・ハリス政権が発表した指針は、まだ黎明期にあるクリーン水素産業に不必要な負担を強いるものだ。議会が意図したのは、税額控除によってクリーン水素製造を促進し、米国が国際競争において優位に立つことであり、送電網の利用を規制することではない」と、燃料電池水素エネルギー協会(FCHEA)は述べている。

インフレ抑制法のもとでクリーン水素製造税額控除の追加に尽力したウェストバージニア州選出のジョー・マンチン上院議員(民主党)は、規則案が極左の擁護団体の影響を受けており、税額控除の意図に反すると主張している。

「CO2排出量を削減し、気候変動と闘うことを目指す政権が、水素市場に打撃を与えることはナンセンスだ。水素は、米国の新たな動力源となる可能性を秘めており、わが国のエネルギー安全保障を強化し、外国の敵対勢力への依存度を下げることにも寄与する。そして重要なのは、CO2を排出せずに生産できることだ」と、マンチンは声明の中で述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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