米国の対中赤字は、2018年には他国の約8倍もあったが、現在は倍もないほどに縮小している。また、中国は2018年には米国の輸入の約25%を占めていたが、今では14%未満だ。米国の対中国貿易は、かつては輸入が約90%、輸出が約10%だったが、現在では輸入75%、輸出25%となっている。
貿易戦争が始まったとき、米国の包括的な関税とは異なり、中国は当時のドナルド・トランプ大統領に最大の政治的ダメージを与えることを意図して、かなり特定の分野で報復措置を取った。これらの動きはすべて現在では忘れ去られているようだ。
2023年の米国の大豆の輸出は中国向けが55%超を占め、その割合は2016年以来最大となる見込みだ。貿易戦争勃発時に約22%まで急減した2018年のシェアの倍以上だ。
米国の石油輸出においては、中国のシェアは2019年の5.5%未満から2023年には12%以上になりそうだ。
米国は中国との貿易戦争で勝利を宣言するときだ。習近平国家主席と厳しいやり取りがあるだろう。米企業が中国との間に抱える知的財産権の問題は続く。中国の人権問題がなくなるわけでもない。台湾への攻撃や南シナ海でのさらなる外交冒険主義を心配する必要もあるだろう。
私たちはただ、戦いを選ぶ必要がある。
世界は、ウクライナに対するロシアの戦争が北大西洋条約機構(NATO)の加盟国にまで拡大されることに耐えられない。戦争がパレスチナ自治区ガザ地区から中東各地に飛び火することにも耐えられない。そして米国は、合成麻薬で若者らを失い続けることはできない。
(forbes.com 原文)