私は『Starfield』擁護派で、執筆したレビュー記事でも高得点をつけている。なので、単に「ソニー対マイクロソフト」のゲーム機戦争の一環として、マイクロソフト傘下のベセスダ・ソフトワークスが開発した『Starfield』をこき下ろしたいわけではない。Steamユーザーたちが皮肉を込めて『Starfield』にこの賞を与えた可能性を示す証拠があるのだ。
人々が気づいた最大のヒントは、『レッド・デッド・リデンプション2』(RDR2)が「愛の為せる業」賞を受賞したことだ。この賞は本来なら、『サイバーパンク2077』や『No Man's Sky』のように、発売後のアップデートやバグ修正に注力してきたゲームに贈られるものだ。特に昨年は『サイバーパンク2077』にとって、一連の修正パッチと追加コンテンツの集大成となる年だった。
一方、受賞作となったRDR2はというと、開発元のロックスターから見捨てられたタイトルとして知られ、ストーリーの続きを描く拡張パックが開発されることもなければ、付属のオンラインゲーム『レッド・デッド・オンライン』がユーザーの満足のいくサポートを得られることもほとんどなかった。よって、RDR2の受賞は当てこすりであることは間違いないように思える。「当てこすり受賞」が1つあったのなら、もう1つあったとしてもおかしくはないのではないか……?
『Starfield』を熱心に擁護して批判を浴びてきた私でさえ、同作が受賞すべき部門は「最も革新的なゲームプレイ」だったとは思わない。シューティングが過去のベセスダ作品から劇的に改善するなど、核となるコンセプトの一部はよくできていたと思うが、それ以外はどうだろう? 同作に対する最大の不満は、過去のベセスダ作品から進歩しておらず、時代遅れにさえ感じられる部分に対するものだ。「1000個の惑星を探索できる」というアピールポイントも、『No Man's Sky』を彷彿とさせる。