『Starfield』にまさかの「革新的ゲーム」賞 当てこすり票殺到か

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同作の革新的な点として挙げられているものも、1つある。それは「ニューゲームプラス(NG+)」モードによる周回プレイの扱い方だ(編集注:ネタバレになるため詳細は割愛)。ただこれも、一部を除いて周回プレイに実質的な変化はほとんどない。私はゲーム全体への評価は高かったが、膨大な量の武器を集め、複雑な拠点や宇宙船を建造することが醍醐味であるゲームで、そのすべてがリセットされるNG+を奨励するというコンセプトはまったく気に食わなかった。
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「革新的」かどうかは置いておいたとしても、本作はSteamユーザーによるレビューの評価も芳しくない。ユーザーレビュー全体の評価は「賛否両論」だが、ここ最近で不評レビューが急増した。ただ同作のファンは、そうした「賛否両論」の中には数万件の好評レビューがあると反論するだろう。また、最も熱烈なファンの多くは、Steamではなくサブスクリプションサービスの「Game Pass」で同作をプレイしているとみられる。

一方「当てこすり受賞」を否定する証拠も、若干ある。最大のポイントは、同部門にノミネートされた他の4作品が、単に『Starfield』より規模がはるかに小さかったというものだ。その4作品とは『Shadows of Doubt』『Contraband Police』『Your Only Move Is HUSTLE』『Remnant II』だ。

批判を覚悟でいうと、私はこのうち3作品について、それまで聞いたことすらなかった。ただ調べてみると、いずれもかなり革新的なゲームのようだ。5本目の『Remnant II』は、私もプレイしてかなり気に入ったタイトルで、『Starfield』よりも革新的だと思う。ただ、『Starfield』はこれら4作品よりもプレイヤー層がずっと広かったため、それだけで自動的に受賞したのかもしれない。加えて、主要ゲーム賞「The Game Awards」で同作が総スカンを食らったことに多くのファンが憤慨し、その「リベンジ」として一斉に同作へ投票した可能性もある。
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しかしそれでも、相当数の「当てこすり票」があったことは間違いないだろう。ベセスダとマイクロソフトは今回の受賞を祝ってもよいのではあるが、当然ながら、『Starfield』公式アカウントの祝賀コメントはX上でコテンパンに叩かれている。

決定的な証拠があるわけではないものの、RDR2に対する明らかな当てこすりなど、上記に挙げた点を考慮すると、『Starfield』の受賞も皮肉によるものだった可能性は高いと思われる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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