また、糞便サンプルのメタゲノム解析の結果では、プロバイオティクスを投与されたグループには腸内細菌の多様性が増していたこと、一部の種類の細菌の量が増加していたことが明らかになった。
これらは、興味深い研究結果といえる。だが「治療としてのプロバイオティクスの投与が、すべての症状の大幅な緩和につながるとはいえない」可能性があることには、注意が必要だ。
さらに、症状の改善はコントロールグループの一部からも報告されている。6カ月の間に「体調が全般的に改善した」と答えた人は、プロバイオティクスの投与を受けたグループの77%。そして、プラセボを投与された人の59%となっている。
つまり、プロバイオティクスの投与という「治療」は、後遺症の症状の改善の程度を高めていたとみられる一方、その投与だけが、改善の要因だったわけではないと考えられる。
研究チームは最終的に、プロバイオティクスによる治療が後遺症の症状の軽減につながるものかについて判断するためには、さらなる研究が必要だと指摘している。
過去およそ20年の間に、腸内フローラに対する関心は劇的に高まった。そのバランスが崩れることが、多くの病気に関連しているとみられている。そして、プロバイオティクスによってマイクロバイオームのバランスが整えられれば、それが病状の改善につながると考えられている。
だが、それが「治療」につながるものかどうかについては、いまだ疑問が残されている。
(forbes.com 原文)