「路線整備が未熟なASEANこそ、Zipparが一番価値が発揮される場所です。ハードウェアでの起業は2、3年後だけをみればリスクが高い選択。しかし、20年、30年後を考えれば、世界を狙える領域。各国担当省庁の情報収集段階から対応し、法整備から交通計画に関わりたい。競合はシリコンバレー、ドイツ、ベラルーシと世界に3社だけ。一番進んでいると自負しています」(須知)
新技術と志に、仲間が集う。海外営業・調達を担うレボンキン・マリオ・イアンカロスフェリド(26歳)は、フィリピン出身。青山学院大学を卒業後は、「地元フィリピンの渋滞問題をなんとかしたい」と、三菱重工に入社した。しかし、フィリピンでの交通インフラ事業が本格化しないと感じると、すぐさまZip Infrastructureへ転職。東南アジアなど海外の交通インフラのコンサルティングを手掛ける株主・長大より各国運輸省などの紹介を受け、ASEANを飛び回る日々だという。
「海外での数兆規模の交通インフラ事業は、上場企業ではリスクとリターンが合いにくいため、参入が難しい。だからこそ、こうした挑戦は、スタートアップに課せられた社会的使命なんです。日本発、ASEANから世界標準の交通インフラを狙います」(須知)
(写真左)大槻祐依◎FinT代表取締役CEO。1995年生まれ。2017年、早稲田大学在学中に同社を創業。SNSマーケティング事業、女性向けSNSメディア「Sucle」を展開する。ASEAN JAPAN Generation Z Leaders Community (AJZL Community)メンバー。
(写真中央)坪井俊輔◎Sagri代表取締役CEO。1994年生まれ。横浜国立大学理工学部在学中に、宇宙教育ベンチャー「うちゅう」を創業。大学卒業後の2018年、Sagriを創業。シンガポール、インドに子会社を持ち、東アフリカでもサービス提供を開始している。AJZLCommunityメンバー。
(写真右)須知高匡◎Zip Infrastructure代表取締役。1997年生まれ。慶應義塾大学入学直後から宇宙エレベーターの研究に従事。その技術を社会実装すべく、大学在学中の2018年、同社を創業。自走型ロープウェイ「Zippar」を開発する。AJZLCommunityメンバー。
(※2024年2月5日、加筆修正しました)