三人寄れば文殊の知恵というように、今回は「インキュベーション女子会」と題して、三者三様の立場で事業創出や次世代を担うアトツギたちをサポートしてきた女性3人が、リーダーのお悩みに答える。
ゲストは、アトツギのママさんことベンチャー型事業承継 代表理事の山野千枝、ビジネスモデルの母こと狭山市ビジネスサポートセンター センター長の小林美穂、リーダーシップの女神ことなごのキャンパス プロデューサーの粟生万琴。聞き手として、スモール・ジャイアンツ担当の督がお送りします。
リーダーが悩む人材育成、どうすればいい?
山野:うわ、これは私には答えられません。そんなに多くの人をマネジメントしたことがないもので。前職で70人の部下をマネジメントしないといけなくなった時に、キャラが崩壊した経験しかありません(笑)。ここはお二人にお任せします!小林:最近の悩みでよく耳にするのが、それぞれ価値観や力量に差があるから個別に若手を育てないといけないのに、その時間が取れないということです。
一番大事なのは、育てる側が時間をどう作るかということだと思います。育てる側が自分の仕事の時間と分けて、部下を育てる時間が同じだけ重要だと認識してスケジュールを組むことが重要です。
つまり、最もシンプルな答えは「若手育成の時間をスケジュール帳に書きましょう」ということになりますね。私は7人のスタッフと仕事をしていますが、こんな少人数でも自分の仕事に追われるとスタッフとの対話の時間が十分に取れない時はあります。でも根本は、そもそも部下にフィードバックする時間と、その内容を整理する時間がスケジュールに入っていない。こういうちょっとしたところから、行動を変えてみるのもいいのではと思います。
──教育の仕組みや研修制度があったほうが良いのでしょうか?
小林:どんなに仕組みがあったとしても、そこに時間を割くことが重要だという共通認識が管理職側に持てるかどうかが重要だと思います。このお悩みにある「OJT」っていうのも気になりますね。もし育成の時間自体は取れていて、仕組みがないために非効率であったり、個人差が出てしまうという課題があるならば、育成の仕組みを作るというのも解決策のひとつだと思います。
粟生:よく組織論で「7〜80人の壁」と言われますが、100名くらいの時ってほぼみんな中途採用のプレーヤーだと思います。新卒がいたとしても、その状態では新卒が育たないという課題にぶち当たってしまう。その解決策の1つは、欧米に倣ってマネージャー専任職、指導専任者を置くということですね。
プレイヤーとしてはまあまあだけど指導力がすごくあるという人もいると思うので、社内のコミュニケーター兼指導役としてノンプロフィットな人を置いて行けるといいのかなと思います。実際にスタートアップからスケールしていった多くの会社がそうしてきたようですよ。