SMALL GIANTS

2023.11.21

スモール・ジャイアンツ アワード、グランプリはアムコン 汚泥脱水で世界77カ国へ

第7回スモール・ジャイアンツ アワード グランプリはアムコンが受賞(中央)

Forbes JAPANは11月16日、第7回「スモール・ジャイアンツ アワード」をライブ配信で開催した。イベントでは、全国から集まったファイナリスト7社によるプレゼンテーションと審査が行われ、自社開発した汚泥脱水機を世界77カ国に輸出する、アムコン(神奈川県)がグランプリに輝いた。

スモール・ジャイアンツ アワードは、1.創業10年以上、2.売り上げ100億円未満、3.従業員数500人以下という条件のもと、規模は小さくても、独自の技術やアイデアで世界規模の活躍をする企業を発掘・表彰するForbes JAPANの名物プロジェクト。

前回のグランプリは、顧客の不満をヒントの宝庫とする「ボヤキニズム経営」で世界中に草刈り機を輸出する、福岡県の筑水キャニコムが受賞。歴代のグランプリ受賞企業も、生体情報を取得できるトータルサービス「hamon」を開発したミツフジ、ディズニーやNASAからも試作依頼が舞い込むアルミ加工メーカーのHILLTOP、安全確保のために使われる保護デバイスなどを製造する生方製作所など、アワードを機にさらなる成長を続けている。

120社から選び抜かれた、すごい7社が登場

7回目のグランプリに輝いたアムコンは、自社開発した汚泥脱水機を世界77カ国に輸出するメーカー。下水や排水の浄化処理過程で生じる汚泥の脱水を行う機械によって、産業廃棄物の処分量の減少に寄与している。なおかつ従来型の汚泥脱水機と比べ、電気代が40分の1、水の使用量は200分の1となるほどの革新技術も備えている。

選考プロセスは、商工組合中央金庫や中小企業基盤整備機構、デロイト トーマツグループ、野村證券、ベンチャー型事業承継など、全国の中小企業にネットワークを持つ10組が出場候補の80社を推薦。また、今回は協定連携パートナー・パートナー団体も40社を推薦し、合計全国120社の企業から、書類審査を経てアワードに出場するファイナリスト7社が選出された。

アワード当日の審査員は、山井太(スノーピーク代表取締役会長執行役員兼社長執行役員)、坊垣佳奈(マクアケ共同創業者/取締役)、大坪正人(由紀ホールディングス代表取締役社長)、内田研一(やまなし産業支援中小企業経営革新サポート事業統括マネージャー/SMALL GIANTS AWARD Executive Producer)、藤吉雅春(Forbes JAPAN編集長)の5人が担当。「グローバル市場の開拓」と「地域への貢献」、「稼ぎ続ける力」の3点を審査基準に、各審査員の立場からファイナリストの事業の魅力に目を光らせた。

アワードは、各社の代表者が、自社独自の成長戦略やアイデア、いかに逆境を乗り越えて「小さな巨人」となったのかをプレゼンテーション。また、ファイナリストと審査員との質疑応答を通して、ビジネスモデルや今後の可能性なども語られた。

プレゼンするアムコン社長 相澤学

プレゼンするアムコン社長 相澤学


プレゼンでは、アムコン社長の相澤学が登壇。「競合他社は売り切りのビジネスモデルだが、私たちは日本企業として“おもてなし”のようなソフトサービスにもこだわっている。保証期間も他社が半年で、私たちは最大4年間。売り切りとは異なり、私たちは世界中の現場に赴いて立ち上げ作業を行い、汚泥脱水機の最大のパフォーマンスが発揮できるようにしている」と、他社との差別化について明かした。
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文=小谷紘友 写真=大星直輝

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