1500万ドルをかけて造成したセンセイファームズでは、コンピューターテクノロジーを駆使した温室の中でさまざまな気候条件をつくり出し、栄養分を含んだ水の中でトマトやレタスなどの野菜が育てられている。
通常の屋外で野菜を育てるよりも10倍の収穫が可能で、必要な水も90パーセント節約できるという。広さ2万平方フィート(約1860平方メートル)の水耕栽培用の温室が2棟あって、テスラ社のソーラーパネル1600枚を動力源としている(エリソンはテスラ社の取締役の1人でもある)。
すでにここで栽培された野菜はハワイ州の各所のスーパーマーケットで「Sensei」というブランドで販売されている。またこの温室で育ったトマトやレタスは、リゾート内にあるレストラン「Sensei by Nobu」で使われている。
ラリー・エリソンの理想を追求したリゾート
ラリー・エリソンは「モダン・テクノロジーによって変化しなかった数少ない産業の1つ」が農業と考えており、このファームの仕組みを世界に広げようとしている。そして、この思想の先にあるリゾートが、「センセイ ラナイ、ア フォーシーズンズ リゾート」なのである。ここに滞在するゲストは、数あるウェルネスプログラムの中から好きなものを組み合わせて、自分だけのプログラムをデザインできる。
例えば「オプティマル・ウェルビーイング・プログラム」では、ホテルに宿泊する前に「WHOOP 3.0」というリストバンドで自身の生活習慣データを収集。それらのデータをもとに5日間のオリジナルプログラムを作成し、専任のプライベートガイド「センセイ・ガイド」が滞在中のフィットネスと健康の状態をウォッチする。食事や睡眠のアドバイスまでするそうだ。
心身の健康にまで踏み込んで深く分析し、フィットネスレベルの向上やマインドセットの改善に集中的に取り組む。まるで「禅寺」のようだ。このプログラムで宿泊料金は1泊1人1355ドルから。プランによっては最低宿泊日数が設定されているので、事前に確認しておきたい。そのほか、好みによってゴルフやテニスに特化したプログラムも用意されている。
また、このリゾートの特徴は、宿泊すると、ホノルルとラナイ島間の往復航空券がついてくること。係員が空港の到着ゲートまで出迎え、プライベートラウンジから専用の格納庫まで案内される。通常の搭乗のような荷物のチェックインや身体検査などもない。また、空港とリゾート間の往復送迎、島内移動のシャトルサービスなども完備されている。
宿泊は16歳以上限定。子どもの宿泊なら、同じラナイ島内の系列リゾートである「フォーシーズンズ リゾート ラナイ」は可能だ。ちなみに「フォーシーズンズ リゾート ラナイ」は、前述の「リーダーズ・チョイス・アワード」ランキングのハワイのベストリゾート部門で第2位に選出されている。
オアフ島以外ではハワイ島がせいぜいというハワイ愛好者は多いと思うが、たまには趣を変えてこのラナイ島もいかがだろうか。