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2023.12.04

新たな億万長者、自ら稼いだ金額より「相続財産」のほうが多い

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昨年、資産10億ドル(約1500億円)を超える「ビリオネア」になった人々は、投資や起業によって自ら稼いだ金額より多くの資産を相続していた。スイス金融大手UBSが11月30日に発表した報告書から明らかになった。

UBSの調査によれば、1年間の調査期間中にビリオネアの地位を獲得した137人のうち、53人は合計で1508億ドル(約22兆1000億円)を相続し、同じ期間に新たに自力でビリオネアになった84人が稼いだ1407億ドル(約20兆6000億円)を上回った。

世界で最も裕福な人々が相続した金額が実際に稼いだ額を上回ったのは、UBSがビリオネアに関する報告書を発行している9年間で初となり、起業から相続への移行が顕著となった。

UBSによれば、1000人以上の高齢化した億万長者が向こう20~30年間で5兆2000億ドル(約763兆1000億円)を相続人に譲渡すると予想されており、その起業家の多く(調査対象者の58%)が相続人の準備を「最大の課題の1つ」として挙げている。

調査対象となった相続億万長者のうち、半数以上が自らの野心を追求するために同族企業から離れる予定だと回答。一方で、43%は同族企業の経営幹部に加わる予定だと答えた。第一世代の億万長者の68%が慈善活動を自身の遺産の重要な一部であると答えたのに対し、相続世代では32%にとどまった。また、相続で富を得た人は富を手放す傾向が低いこともわかった。さらに相続億万長者のうち60%は、将来の世代にも富を相続させる予定だと答えた。

2023年版ビリオネアに関する報告書は、今年6~9月にかけてUBSがビリオネアに該当する世界中の顧客79人を対象に実施した聞き取り調査を基に作成された。

ある億万長者は「若い世代に対する主な課題は、野心を持つように教育することだ」と回答。「若い世代は重要な起業情報を持っていることを当然だと考えているが、自ら創業した世代は自分で情報を集め、それを最大限に活用しなければならない」

現代の億万長者世代が高齢化するにつれ、富の世代交代は予想されていたが、UBSの最新のデータから、この傾向が現在勢いを増していることが明らかになった。米金融大手バンク・オブ・アメリカの最近の報告書は、現金資産の大半はまだ団塊の世代が握っている(米経済誌フォーチュンによれば、団塊の世代の平均純資産は97万ドル~120万ドルだ)が「ミレニアル世代への富の移転は始まっている」としている。金融市場調査会社セルリ・アソシエーツによれば、団塊の世代は2045年までに72兆6000億ドル(約1京700兆円)の資産を相続人に直接贈与すると予想されている。

11月28日に死去した米投資会社バークシャー・ハザウェイの副会長で著名投資家のチャーリー・マンガーと、同社のウォーレン・バフェット会長兼最高経営責任者(CEO)は先ごろ、超富裕層のための遺産計画についてさまざまな助言をしていた。バフェットは、相続の過程で子どもたちを蚊帳の外に置くことを警告。一方のマンガーは「ただ株を持ち続けろ」と、より直接的な方法を紹介した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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